カフェ・ベローチェや珈琲館を展開するC-Unitedが挑むシステム内製化 3社の統合をきっかけに全社のワークフローシステムを移行
- 3業態で統一されていない業務フローや利用システム
- ローコード開発による旧システムのブラックボックス化
- システムの改修コストが大きく会社や組織の変化に対応不可能
- 並列承認や合議など、複雑なワークフローの再現性
- 将来的な市民開発を見据えた、ノーコード開発の容易性
- 外部システムとの連携を可能にする拡張性
- 稟議の起案・承認スピードの短縮
- シンプルなアプリ設計・開発によるメンテナンス性の向上
- 現場部門ユーザーのシステムへの当事者意識の醸成
C-United株式会社は、「珈琲文化の創造と発展を通して人を幸せにすること」を理念に掲げ、「カフェ・ベローチェ」「珈琲館」「カフェ・ド・クリエ」などのブランドを展開しています。2021年に珈琲館株式会社と株式会社シャノアールの経営統合により誕生した同社は、その後2023年に株式会社ポッカクリエイトとの合併をおこないました。
業界でも類を見ない3業態の統合をきっかけに、同社では社内のワークフローシステムの統合を進めるプロジェクトが発足。複雑に作りこまれて運用が困難になった旧システムからのリプレイスを中心に、SmartDBを活用した業務効率化に取り組んできました。
今回は、プロジェクトの中心としてSmartDBの導入からアプリ開発、社内展開までを推進してきた管理本部 情報システム部の己斐さんと渡部さんにお話を伺いました。
経営統合後のシステムおよび業務プロセスの統合を担当
旧ワークフローシステムの保守・改善作業と並行して新ワークフローシステムを選定後、SmartDBの機能全般を構築
情報システム部について
昨今のコスト高騰や人材不足の課題に対して、システム面から店舗の業務効率化に貢献することをミッションに、店舗のPOSシステムやレジ、販売管理システムのほか、本社側のワークフローなど幅広く情報システムの管理と運用をおこなう。
経験のない3社のシステム統合
まずは今回のワークフローシステム統合プロジェクトについて教えてください。
己斐さん:カフェ ベローチェを運営していた旧シャノアール社ではローコードの開発プラットフォームを利用しており、2021年に合併した珈琲館もそこに相乗りする形でワークフローを運用していました。その後、2023年に旧ポッカクリエイト社が合流したことをきっかけに、3社統合でバラバラだった業務プロセスとシステムを整理・統合しようとなったことがプロジェクトのはじまりです。統合の際には、今後起こりうる会社や組織の変更も想定して変化に柔軟に対応できるシステムを構築することをテーマとしていました。
2025年3月を目途に、3業態で完全に統合されたシステムで運用開始することを目標に据え、システムの刷新検討を始めました。
当時の社内にはどんな課題がありましたか?
一番わかりやすい課題だったのは、カフェ・ド・クリエの業務は紙が主体であったことです。会社が統合される前は1フロアのオフィスだったので紙の申請でも運用できていたのですが、3社統合後のオフィスではフロアや建物も複数あり紙での回付には時間がかかるためシステム化は必須でした。また、各業態でおこなわれる様々な申請業務について、申請をあげる基準や承認が必要な範囲など業務プロセスもバラバラでした。
また、経営統合をきっかけに人の入れ替わりもあり、旧システムの中身を把握している人がおらず外部の方にメンテナンスをお願いする必要がある状態でした。ユーザーから改善要望があがった際はまず大量のコードを解読して…と運用コストも非常に大きくなっており、統合後の変化に対して旧システムは柔軟な対応ができませんでした。
「負の遺産を残さない」
今後の変化にも対応できる柔軟なシステムを選定
新しいシステムを検討する際に意識していたことを教えてください。
イニシャルコストや構築期間の短縮を考えて、SaaSの利用は大前提に検討していました。旧システムがそれなりに作りこまれていたこともあって、並列承認や合議承認といった複雑なワークフローを再現できるかどうかや、販売管理など社内の他システムとの連携が可能かという点は重要視していました。一方で、旧システムはJavaScriptがわからないと読み解くのが難しいという課題もあったので、開発のしやすさや拡張の際の柔軟性といった点も今後の変化を見据えて検討時の観点としていました。
SmartDB採用の決め手は何でしたか?
検討時の要件にもある複雑な承認や外部連携が実現可能という点は当然重要でした。旧システムでは設定できる承認者数に限界があり、組織ごとの個別要件に応じた設定や組織改編に伴う対応工数に課題を抱えていたので、そこを効率化できるシステムとして選定しました。承認ルートの設定に必要な人事情報や売上などのその他情報を柔軟に活用可能という点で外部システムとの連携も必須でした。
選定のなかで、プラグインによる機能拡張で要件を満たせる製品も検討しましたが、やっぱり過去の経験も踏まえてシステムがブラックボックスになってしまうことは避けたかったです。将来を見据え旧システムのような「負の遺産」を残さないというテーマのもと、例え担当者が変わっても継続的に運用できる、なるべく標準機能で構築可能なシステムであることはプロジェクトを通して意識していました。
そして、内製化だけでなく将来的な現場開発の世界観を提案の初期から提示していただいたことも大きかったです。というのも、これまでマスタデータの登録作業などシステム周辺の作業は大体情シスが担っていました。しかし、個人的には現場の業務担当者が責任を持ってデータを扱いシステムに登録をおこなう「マスタ管理の民主化」ができる状態が理想だと思っていました。システムに関する当事者意識をユーザーにもってもらうきっかけになるという意味でも、市民開発というのはかなり魅力的に映ったことを覚えています。
また、これはSmartDBの導入を決定したあとにはなりますが、導入後最初の3ヵ月でオンボーディングとして伴走していただいて、そこで自分たちで開発できる状態にもっていくというスピード感も良かったと思っています。
結果としてSmartDBを導入して約1年後の2024年11月には、移行対象としていた業務のほとんどをSmartDBに移行できました。
プロジェクト推進におけるドリーム・アーツの支援に対する印象を教えてください。
渡部さん:最初はハンズオンでSmartDBの操作方法を教えていただき、作ったアプリをカスタマーサクセス担当の方に見せながら問題なくリリースできそうかということを相談していました。
例えば、当初は旧システムでかなり作りこまれていた部分をそのまま移行しようと思っていましたが、実際にユーザーにヒアリングしてみると「実はこの項目は使っていない」とか、「使いづらいからいらない」という意見も出てきたりしていました。移行の要件が固まりきっていない時期に、やりたいことをあやふやな形でも伝えると、「こうしたらできますよ」という風によりよい代替案を提案していただきながら進められたことを覚えています。
その他もオンボーディングの期間で業務整理やアプリ構築面のアドバイスをいただいて助かりました。店舗にはパソコン慣れしていない人もいますし、本社の方でも項目が多すぎると見づらいという意見もあったので、不要な部分は削ってなるべくシンプルにというのはオンボーディングの際から意識していました。
SmartDBをきっかけに変わる社内文化
移行による効果はどのあたりに現れていますか?
業務効率化の観点では、紙での稟議業務が減ったことに加えて旧システムで存在していた不要な入力項目などを見直すきっかけにもなったので、稟議を起案する時間が短くなっています。システムの動作速度も旧システムと比較すると大きく向上しているのでその点でも移行の効果が出ていると思います。情報システム部の負荷についても、以前は問い合わせを受けた際に探り探りの調査で問題解決に時間がかかっていたので、メンテナンス工数の削減という効果もありました。
SmartDBへの移行をおこなってからは、「この業務もシステム化したい」とか「ここをもっと良くしたい」といった要望がユーザーから結構あがってくるようになっていて、大体80件くらいの要望をこれまでに受け取り必要に応じてシステムに反映しています。システムの統合やリプレイスをおこなって終わりではなく、業務や組織の将来的な変化にも対応できるようにとSmartDBを選定したのですが、実際に柔軟な改修をおこなえていることはSmartDBを選んだメリットだと思っています。
当初のシステムに対する当事者意識を持ってほしいというとこにも繋がりますよね。
実際に社員総会の場で「SmartDBでできるってほんとうですか?」という質問をいただいたこともあって。SmartDBで身の回りの業務が改善できるということが口コミで広がった結果として、身の回りの業務改善や効率化に興味を持ってもらうきっかけになったんじゃないかと想像しています。
以前は情報システム部からの発信が少なかったんですが、SmartDBの導入などを通じてユーザーの要望を聞きながら新しいシステムでよくなりますということを積極的に発信してきたこともあって、情報システム部へのイメージも変わったんじゃないかと思います。
システムを売りにしている業界ではないのでいわゆる運用や保守のような裏方業務が中心だった頃から変わり、システムを通じて業務をよりよく変えていくという新しい役割を自然に受け入れてもらえています。
統合プロジェクトを終えて、その後SmartDBの活用が広がっている領域はありますか?
現在は、店舗の基本情報などを管理する店舗マスタや修理依頼書などを開発しようとしています。
修理依頼書は業務を主管する営繕部門からSmartDBでやりたいという依頼があったことがきっかけです。別のワークフローシステムからの移行になりますが、話を聞いてみるとただそのまま移行するだけじゃなく様々な改善の余地があるとわかりました。また、現行システムはアカウントを小規模に限定していてエリアマネージャーなど限られた人しか依頼を出せないのですが、SmartDBに移行すると店舗からも直接修理依頼をあげることが可能になるのでそこも使いやすくなりそうです。
部門やシステムの垣根をなくしていくシステム
C-UnitedさんのなかでSmartDBは今後どのようなシステムになっていきそうですか?
業務効率化という点では、店舗マスタの運用を開始できれば多店舗を運営する業態として大きなインパクトになると思っています。
また、「デジタルの民主化」というSmartDBのコンセプトにもあるように、自分の手で業務を改善できるユーザーを増やしていって、SmartDBに限らずいろいろなシステムや業務効率化を意識してもらえる状態を作りたいです。情報システム部に話しかけやすくなったという声を聞く一方でまだまだ壁もあると思うので、部門やシステムの垣根をなくす入り口になるシステムにしていきたいです。
SmartDBで取り組んできた新規開発は一段落する頃合いなので、他にも紙でやっているものとかシステム化したいものをヒアリングして、どんどんSmartDBに移していって紙・ハンコ文化の脱却を目指したいと思っています。
また、今は本社から店舗への情報伝達はインフォメーションアプリとして実装していますが、店舗から本社への報告は定期的なものしかありません。もっと気軽に要望やお客さまからのポジティブな言葉を本社に伝えてサービス品質を向上させるような仕組みを構築していきたいと考えています。
ありがとうございます。
最後に、今後ドリーム・アーツやSmartDBに期待することを教えてください。
システムの内製や市民開発を一層後押しするアップデートと、業界横断のコミュニティでの知見共有に期待しています。他社のユーザーさんと情報交換をする機会というのもあったりするので、そういった横のつながりも大事にしながら現場のスピードに寄り添ったDXを推進していければと思っています。
まずは、いつも頻度の高いアップデートを実施頂き、ありがとうございます。今後も開発者側・利用者側共に利用しやすくなるアップデートを期待しています。また、今後はSmartDBへもAIが導入されると伺っています。AIをはじめ、様々な技術を取り入れていただき、より便利でより広い使い方ができるようになればと思っています。
己斐さん、渡部さん、貴重なお話をありがとうございました!
C-United株式会社の更なる業務効率化や「デジタルの民主化」の推進に向けて、引き続きドリーム・アーツとSmartDBもお役立ちできればと思います。
よくあるご質問
複雑な条件分岐を伴うワークフローにも対応可能ですか?
組織や申請内容に応じた高度なワークフローをノーコードで再現可能です。C-United株式会社では並列承認や合議承認といった高度な承認要件の再現を決め手のひとつとしてSmartDBを導入しています。
ITやシステムに詳しくない担当者でも開発・運用は可能ですか?
専門知識が不要のノーコード開発により、属人化を防ぎながら内製化が可能です。専任の技術者にシステムの保守を依存することなく、柔軟にアプリを構築・改修することができます。
SmartDBへの業務移行にはどれくらいの時間がかかりますか?
業務の規模や体制にも寄りますが、導入初期のオンボーディングプログラムなどを活用することで早期のシステム移行を実現した事例もあります。C-United株式会社では、導入後最初の3ヵ月で自社での開発体制を確立し約1年後には対象業務のほとんどをSmartDBに移行完了しています。
社内で利用している他システムとSmartDBの連携は可能ですか?
オプションやAPIを活用することで柔軟に外部システムと連携可能です。人事情報や売り上げ情報をマスタデータとしてSmartDBに連携し、開発したアプリから参照することができます。
デジタルの民主化(デジ民)とは何ですか?
ドリーム・アーツでは、業務部門がDXによる課題解決と価値創出に主体的に取り組み、その改善と価値の増幅を自律的かつ継続的に主導する状態を「デジタルの民主化」と定義し、実現を支援しています。
※所属部署、役職、インタビュー内容は取材当時のものです。




