先日3月23日、株式会社ロコガイド、株式会社ネクスウェイとの共催で、「本部・店舗・社外・顧客をつなげる!DXはじめの一歩」セミナーを開催しました。
今回のセミナーは、電子広告で小売店と生活者をつなぐ「トクバイ」、店舗のオペレーションを変革する「Shopらん/店舗matic」、多店舗運営など大組織の業務デジタル化を実現する「SmartDB(スマートデービー)」という3つのソリューションを通して、今の時代に合った多店舗運営のあり方についてご紹介しました。
目次
講演1:2021年、顧客に必要とされる店舗販促・情報発信手法とは
コロナ禍の影響で、企業・個人も大きな変化がありました。株式会社ロゴガイドの三宅氏より、アンケート結果などを交えながら2021年消費者から小売店舗に求められている販促情報と、店舗販促をしていく上で重要なポイントをご紹介いただきました。
コロナショックで消費者の意識・行動はどう変わったのか?
消費者の意識では、以下3点の変化が見られました。
- 節約志向の高まり
- 買い物頻度は減少
- 計画的な買い物の増加
2020年4月と6月のアンケートからみると、緊急事態宣言直後で、「節約志向が高まった」「事前計画をするようにするようになった」という方が増えています。緊急事態宣言が解除した後でも、食品・生活日用品など生活に関連する項目は節約志向が増え続けています。つまり、コロナの影響で生活関連の節約意識が定着化していることが伺えます。
また、リアルでの購入(店頭購入)頻度を減った一方で、ネット購入が増えたという結果も出ました。 情報収集の方法に関しても、これまではリアル(実際にお店に行って)で情報収集する人が多かったのが、コロナ発生後はインターネットで検索やSNSなどデジタルで情報を収集し、計画を立てて買い物する人が増加しました。
トクバイをご利用のお客さまから寄せられた声を分析していくと、小売店舗の狙いと一般消費者の要望にギャップがあることが見えてきました。 緊急事態宣言が出た後、世論の懸念や店舗混雑回避のために販促活動を自粛される小売店舗が増え、以前はチラシなどで商品情報を掲載していた店舗でも、紙・電子どちらでもチラシ自体の配布を停止する場合が増えました。しかし生活者からは、「まさにこういう時だからこそ、チラシを載せてください」という声が寄せられました。なぜかというと、買い物の滞留時間を短縮し、効率よく買い物するために、チラシのお買い得情報などが必要となっていたからです。
小売側が提供する「買い物体験」はどう変化しているのか?
消費者の認識の変化にともない、店舗が提供する「買い物体験」はどのように変化しているのかもご紹介いただきました。 新型コロナウィルス発生以降、事前注文・モバイルオーダーや買い物代行など、密を避けるための新しい買い物体験サービスが普及してきています。例えば、イオンリテール株式会社の取り組みである「レジゴー」というサービスは大人気を集めています。「レジゴー」は「レジに並ばない」「レジ待ち時間なし」を可能とする新たな買物システムです。消費者が貸出用の専用スマートフォンで商品のバーコードをスキャンし、専用レジで会計するだけで買い物が完了できる「新しい買い物スタイル」です。弊社でも「レジゴー」の体験談をご紹介していますので、興味があればぜひご覧ください。
「今話題の「レジゴー」を、イオンで体験してきた」ここまでご紹介してきたように、コロナ禍の影響で、消費者の購買志向と小売企業・店舗の提供価値大きく変化しました。
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消費者:
- 節約志向の高まり
- 買い物頻度は減少
- 計画的な買い物の増加 小売企業・店舗:
- 密を避ける新しい買い物体験
店舗の販促・情報発信で、何が大事になるのか?
新型コロナウイルスの影響により、消費者が店舗での買い物をおこなう前の段階で、いかに有益な情報を届けるかも重要になりました。しかし、店頭販促や紙チラシなど、従来の販促手法に依存している店舗が多いのが現状です。これでは今の消費者が求めている買い物前の情報収集が効率的にできないため、これをきっかけに情報発信の仕方を変える必要がある、とトクバイは考えています 。
①発信手法:PUSH型からPULL型へ
PUSH型は従来のやり方で、小売企業・店舗から消費者へ「うちはこんなことやっていますよ」と発信する報告的なやり方です。その一方、PULL型は消費者が普段見るメディアで、消費者自身が欲しい情報だけを取得できるようにするというやり方です。消費者が欲しい時に欲しい情報が手に入るように、メディアに情報を掲載しておくことが重要となります。また、コロナ禍の今、発信する情報には今までのセールなどお買い得情報のほか、店舗の混雑情報・キャッシュレス導入状況など、密を避けるための内容を盛り込むようにすることもポイントだそうです。
②媒体:紙からデジタルへ
下の図のように、紙ベースの情報発信であれば、企画・印刷発送・届くまでリードタイムが非常にかかります。その一方、デジタルであればリアルタイムに情報発信ができます。 それにより、消費者は欲しい情報を欲しいときに、リアルタイムで「PULL」(取得)できるようになり、消費者に情報を届ける機会を増やすことができるようになります。そのため、小売企業・店舗での情報発信の仕方を、従来の紙チラシから電子チラシに移行していくことも重要なポイントとなります。
トクバイは店舗の情報をWebサイトやアプリに一括で配信することができます。トクバイで情報を配信すると、トクバイを利用する消費者は自分の周辺にある店舗情報をまとめて流し見できるような形になります。自分が見たいと思ったお店の情報以外にも、近所の店舗情も合わせて取得し比較することができるようになることから、まさにPULL型の情報発信となります。
紙チラシでは伝えきれない特売情報やコロナ対策情報は、トクバイのWebサイトやモバイルアプリ上に直接投稿できます。掲載店舗数No.1チラシサービス「トクバイ」について詳しく知りたい方はこちらから!
講演2:150社のチェーンストアを支える仕組み“Shopらん/店舗matic”
つづいて、スーパーマーケットのイトーヨーカドーからアダストリアのようなアパレル企業まで、業種を超えてチェーンストアの業務を支える仕組みをご紹介いただきました。 当日は、株式会社ネクスウェイ櫻井さまより、Shopらん/店舗matic*についてご講演をいただきました。
*ネクスウェイ社はパートナーとして、「Shopらん」を「店舗matic」というブランド名で提供していらっしゃいます。
店舗運営でよく伺う課題「本部-店舗間コミュニケーション」
まずは本部-店舗間のコミュニケーションついて、よく伺う課題についてお話しいただきました。
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店舗:
- 本部からの指示がメールや電話など、さまざまないろいろなツールで届き、整理に時間がかかる
- 本来お客さまと接するための時間が事務的な作業によって確保できない 本社:
- 本部からの作業指示に対して、店舗での既読状況や実施状況の確認に時間がかかる
上記の課題を解決するために、本部から店舗への指示通達などの情報配信・情報整理の作業はできるだけ効率化する必要があります。店舗では指示通達が必要なタイミング・整理された状態で簡単に情報を確認できること、本社は店舗でのタスク実施状況が簡単に確認できるようになることが一番理想な形です。このような理想の状態になれば、よりお客さまと接する時間を創出することができ、売上げ向上につながる活動に取り組むことができます。
課題解決のためのデジタル化
Shopらん/店舗matic機能の全体像は下記の図の通りです。Shopらん/店舗maticは店舗と本部間、店舗同士間のコミュニケーションに特化したサービスで、本部-店舗間のさまざまな情報共有を効率化できる機能を備えています。
このあと、実際のデモンストレーションを通して、機能の詳細と導入事例を紹介していただきました。 Shopらん/店舗maticはチェーンストアを展開されている企業のための本部店舗間をつなぐコミニュケーションツールです。業界のリーダー企業をはじめ、利用店舗数39,000店舗を超えるShopらん/店舗maticについて、詳しく知りたい方は下記のURLからご覧ください。
Shopらんについてはこちら!講演3:今こそ、店舗を支える本社/本部業務のデジタル化・効率化を実現
「SmartDB」は、本部内や店舗からの各種申請業務をはじめ、店舗開発や商品管理・「お客様の声管理」(VOC)の業務まで、幅広い業務のデジタル化を支援しています。ドリーム・アーツからは、「SmartDB」を活用して、紙・Excelによる業務負荷から脱却されたお客さまの事例を交えご紹介いただきました。
【関連動画】SmartDBをご利用いただいている小売業のお客さま事例「SmartDB」はDX推進を支える業務プロセスのデジタル化に貢献
ドリーム・アーツは、DX推進には以下の3点が重要であると考えています。その上で、「SmartDB」はペーパーレス化だけではなくDX推進を支える業務プロセスのデジタル化にも貢献できるサービスであるとお伝えしました。
①と②は何が正解となるかわからないなか、1勝9敗のつもりでトライアル&エラーといったチャレンジが必要な領域です。①と②のチャレンジが成功したとしても、社内の業務プロセスがアナログのままで紙業務が残っていたりすると、顧客の要望を受け取って継続的に現場の業務をアップデートしていかなければならないときに対応できない状況を生んでしまいます。 そのため、DX推進においてスピーディな「③業務プロセスのデジタル化」は軽視できない同時に取り組むべき課題となっており、その領域で現場部門主体の業務デジタル化を支援する「SmartDB」は貢献できると考えております。
業務プロセスのデジタル化のススメ
ドリーム・アーツは、単純な業務の電子化では意味がないと考えています。例えば、ワークフローだけを電子化しても、その前後の業務にExcelや郵便作業が残ったままでは業務の効率は変わりません。 「SmartDB」でワークフローとともに入力項目をデジタル化することで、後続業務も含めた業務のデジタライゼーションが可能になります。デジタライゼーションによって、すべてをデジタル化することで業務の改善や効率化が実現できると考えています。
いまこそ本部改革の必要性
本来リテール業界における本社・本部は店舗の販売力を生かすために、戦略を立案したり、実行を支援したりするという役割を担います。しかし、Excelや紙での業務が残っていること、利用システムが乱立していること、IT人材の不足などから、本社・本部での業務デジタル化が進まず、間接業務に時間がとられてしまって、店舗を支援する時間が圧迫されている場合が多くあります。 だからこそ、いま本部の業務デジタル化を実現し、業務改革によって、本社・本部をあるべき姿、役割を取戻す必要があるとお伝えしました。
「SmartDB」は大企業を中心としたお客さまに導入いただき、50万人以上にご利用いただいております。
「SmartDB」でどのように業務デジタル化をおこなうのか、「SmartDB」で業務デジタル化をおこなうメリットについて詳細はこちらをご覧ください。
3分でわかる「SmartDB」
大企業における業務デジタル化の課題と、その解決策として「SmartDB」で、どのように業務デジタル化を実現できるのかをご紹介する資料を公開しました。ぜひご覧ください。
詳細・お申し込みはこちら
この記事の執筆者:楊 溢(プロモーショングループ)
新卒でドリーム・アーツに入社 2021年からプロモーショングループの一員になりました。 記事執筆は初心者ですが、いろいろ情報を発信していきたいと思います!