【講演レポート】KDDI株式会社登壇|変化の時代を生き抜く”基礎”=デジタルの民主化

2025年7月23日、大盛況のうちに幕を閉じた「スマデビ ジャンボリー!」 第2部ではユーザー企業6社が自ら活用事例を語る大人気企画「スマデビ’s got Talent」のほか、昨年の「スマデビ’s got Talent」で優勝されたKDDI株式会社から横山拓郎さんの講演をお届けしました。
本記事では、当日「変化の時代を生き抜く”基礎”=デジタルの民主化」と題して、KDDI横山さんにお話しいただいた内容を余すことなくレポートします。



登壇者

KDDI株式会社部 横山 拓郎 氏

▼ゲストスピーカー

KDDI株式会社
コーポレート統括本部
コーポレートシェアード本部 コーポレートDX推進部
エキスパート|博士(工学)

横山 拓郎 氏

株式会社ドリーム・アーツ 北澤 実咲子

▼モデレーター

株式会社ドリーム・アーツ
セールス統括本部
セールスイネーブルメントグループ
マネージャー

北澤 実咲子

ドリーム・アーツ北澤(以後、北澤):

みなさんこんにちは。
ドリーム・アーツ セールス統括本部 セールスイネーブルメントグループ マネージャーの北澤です。

こんにちは。KDDI株式会社 コーポレート統括本部 コーポレートシェアード本部 コーポレートDX推進部の横山拓郎です。

北澤:

KDDIさんとは導入初期に関わっていたのですが、本日こうしてまた横山さんとお話しできること大変楽しみにしていました。本日はよろしくお願いします。

はい、よろしくお願いします。

北澤:

さて、横山さんといえば、今日もお着物で登場していただいていますが、
昨年「スマデビ’s got talent」へも出場していただいて、見事グランプリに選ばれていましたね。
そのときもお着物を着られていましたよね。

人事部が抱えていた2020年以前の業務課題

はい、私実は茶道家でもあるんですが、茶道もDXも続けるには基礎が大事ということで 今日も着物で来させていただきました。

北澤:

昨年のイベントに参加いただいた方のなかには、横山さんといえば着物の人とおぼえてらっしゃる方もいるのではないでしょうか。さて、本日はそんな横山さんに短い時間ではありますが、時間の許す限りいろんなお話しお聞きしていこうと思っております!横山さん、よろしくお願いします。

はい、こちらこそよろしくお願いします。

横山さんが所属するコーポレートDX推進部のミッション

北澤:

本日は横山さんに「変化の時代を生き抜く”基礎”=デジタルの民主化」についてお聞きしていくのですが、まずは前提として横山さんが所属されているコーポレートDX推進部の役割などについて教えてください。

はい。私はKDDIのコーポレートシェアード本部の「コーポレートDX推進部」に所属しています。ここはKDDI株式会社のコーポレート機能そのもののDX戦略や企画をする部署です。また、あわせてKDDIグループ全体のコーポレート機能のDX戦略や企画も、シェアードしながら推進していく部署となっています。
このなかで、業務の高度化、内製化推進や人材育成も担っています。
内製化では「三刀流」と宣言し、3つのツールを駆使しています。そのうちのひとつがワークフローのための「SmartDB」、そのほか2つがBIツールとRPAです。最近ではAIやワークフローからつながるデータ活用についても私たちの部署で担当しています。

人事部が抱えていた2020年以前の業務課題

北澤:

三刀流という言葉が出ましたが、このうちの一刀を担っているのが「SmartDB」なのですね! ではその「SmartDB」の歩みも振り返っていければと思います。

KDDIとSmartDBの歩み

北澤:

KDDIでは2021年に「SmartDB」を導入されて、4年間が経っています。限られた時間では語り尽くせないと思いますので、今回は直近2年にフォーカスをあてて振り返っていきましょう!

まずは、2023年の末から始められたスマデビ合宿についてお聞きしたいです。合宿と聞くと一体どんなことをやっているんだろう、と気になる方も多いかと思います。このスマデビ合宿が生まれたきっかけやその内容について教えてください。

はい。この合宿は「SmartDB」でコーポレートアプリケーションを内製化できる人材の育成を目的にスタートしました。

1泊2日で弊社の研修施設に泊まり込み、普段の業務から少し離れて「SmartDB」をじっくり学びながら、SCS(「SmartDB」認定制度)(※1)の取得も目指せるプログラムとして企画しています。

※1:SCS(SmartDB認定制度)
「SmartDB Certified Specialist(SCS)」は、「SmartDB」に関する優れた専門知識や技術を証明し、「デジタルの民主化」を推進・実現できる人材であることを認定するプログラムです。「SmartDB」で得た経験により企業内で業務改革を推進できる“デジタル人材”の創出・育成を目指しています。
  

最初は、1時間×8回の講義スタイルで、2ヵ月かけて進める方法も考えていました。
でもその方法だと、どうしても通常業務に追われてしまって、欠席が出たり集中しづらかったりする可能性があるなと感じました。

そこで、時間と空間を切り離して、集中できる環境をつくろうと思い、合宿形式にしました。 1泊2日で一緒に過ごすことで、「SmartDB」の学びにしっかり向き合えるだけでなく、参加者同士が“同期”のようなつながりを持てる「コミュニティづくり」もできるので、これも合宿にしたひとつの理由でもあります。

人事部が抱えていた2020年以前の業務課題

これまで合宿は4回実施していて、最初の3回はKDDI社内だけでおこなっていました。
そして先日7月に開催した第4回では、11社の「SmartDB」ユーザーのみなさんにもご参加いただきました。「SmartDB」を合言葉にしてお互いの活用方法を紹介しあえるような場となっており、社内外でのコミュニティ形成にもつながる企画だったと思います。

北澤:

もしかしたらこの会場にも合宿に参加された方がいるかもしれないですね。
そんな合宿を経て、KDDIでは自然と人事部門のなかに「SmartDB事務局」のようにうごいてくれるメンバーも出てきたんですよね。

KDDIでは「SmartDB」を、コーポレート全体で使っていますが、システム管理は基本的に中央集権型で管理しています。
そんななか、人事からコーポレートシェアード本部に兼務という形で「SmartDB」スキル習得を目的に来ていたメンバーがおり、事務局に参加してくれて、本格的に内製化に取り組むようになりました。
彼らは人事本部に戻ってからも内製化の中心メンバーとして活躍してくれています。
人事本部内では「SmartDB」スキル向上の研修なども自発的にすすめていてくれて、「こんなふうに使えるんだ!」とか「SCSってこうやって受けるんだ!」といった拡がりを作ってくれています。近いメンバー同士でのやりとりだからこそ、わかりやすくて広がりやすい。そんな感じで、社内でも「SmartDB」を軸にした活動がどんどん広がってきています。
これらの活動を経て、重要なのはコミュニティづくりであり、それがうまく進めばあとは自然と内製化の芽が育っていくんだなと実感しました。

北澤:

横山さんたちが事務局となるだけではなく、人事部のなかでも事務局のような動きをしてくれるメンバーが増えていき、自然に活動が広がって、内製化人材の育成が進んでいく様子が大変興味深いです。そんなKDDIさんでは、SCS認定者数が150名を突破し、内製化による業務アプリは157を突破しているんですよね。

人事部が抱えていた2020年以前の業務課題

はい。
まずはSCSについてですが、制度が立ち上がった初期のタイミングで、私自身が最初に受験しました。
その後、事務局メンバーにも受けてもらい、さらにリーダー層にも積極的に受験してもらっています。私の上司も受験して認定を取得していて、みんな率先してチャレンジしてくれています。 実際に受けてみると、「思ったより難しい!」「ここが大変だね」といった声もあり、そういったリアルな感想を共有しながら進めてきました。

先ほど紹介した人事本部のメンバーがSCS受験の取り組みを部門内でも広げてくれて、
また事務局でも先ほど紹介した「SmartDB」合宿の最後に受けてもらうなど、いろんな形でSCS認定者を増やす取り組みをしています。これらの取り組みの積み重ねで、今ではSCSの認定者数が150名を突破するまでになりました。

北澤:

こうした取り組みをお聞きすると、あらためて凄まじい推進力だなと思います。そんななか、今年も大きなプロジェクトを完遂されたんですよね!

ボス戦!?10年ぶりの稟議業務刷新プロジェクト

はい、そうなんです。ワークフローツールで取り組む業務として最も高い壁というか、最大のプロジェクトといえば全社で使う「稟議書」ということで。こちらの稟議書システムのプロジェクトが今年の5月に終了し、無事作り終えることができました。プロジェクト期間中はドリーム・アーツさんやほかの「SmartDB」ユーザーさんなど情報交換させていただきまして、ありがとうございました。
この稟議書システム、弊社の場合業務起点となる最上位のシステムです。支払、契約、出張などなにかをする際に必ずまず決裁を受けるという観点上、さまざまな業務の特性をふくんでいます。そのため、利用対象者も1万名を超え、業務ごとに承認ルートや閲覧権設定などがどうしても複雑になりやすい。そんな業務を反映していくのが難しい稟議書システムを「SmartDB」で、かつコーポレートのメンバー中心に内製で作りました。

北澤:

かなり難しそうなプロジェクトですが、稟議書システムに取り組もうと思われたきっかけはなんだったのでしょうか?

「SmartDB」は人事業務で全社が使っていたので、社員のみなさんが見慣れていた素地が有りまして。そういった観点から、コーポレートの業務はここに入ればできるんだという業務の入口を「SmartDB」にしたかった、という思いがありました。人事業務も稟議も「SmartDB」に集約できれば従業員にとって使いやすくなると思っていて、チャレンジしたいと元々考えていました。

北澤:

難易度の高そうな複雑な稟議書システムですが、これが「SmartDB」で内製化できれば、ほかの業務も「SmartDB」でつくれるんだ、という証明にもなりそうですね。そういった意味でも稟議書システムは「ボス」みたいな対象だったんですね。

はい、やはり難しいところは有りました。実際に完成した稟議書システムは「20バインダー、6サブプロセス」になりまして…「SmartDB」使っている方からすると巨大なシステムに見えるんじゃないかなと思います。

北澤:

稟議書システムの内製化はKDDIのなかでも大注目のプロジェクトで、取締役全員が認知していたと聞いています。大プロジェクトの推進でたくさんの苦労話や紆余曲折があったと聞いておりますが…お時間の都合上今回は割愛させていただきます。今後また別のイベントなどでお話しいただけるかも…?ということで、ご来場のみなさんはぜひご期待ください。
さて、そんな稟議業務刷新プロジェクトですが、社内ではどんなリアクションがあったのでしょうか。写真も今出ていますが、完成の祝賀会も大変盛り上がったそうで…

はい。稟議書システムは、これさえ内製化できれば「すべての業務が「SmartDB」で内製化できる証明になる」と思って挑戦していました。
祝賀会にはパートナーのみなさんのほか、プロジェクトオーナーであるCFOの最勝寺以下総勢70名くらいの会でした。
通常、基幹となるコーポレートシステムでこれほど巨大なものを作ると、数百名で祝賀会をすることが多いのですが、稟議再構築プロジェクトの祝賀会は70名くらいだったので、最勝寺からは「こんなに少ない人数で内製化できたの?」と驚きも交えながらお祝いしていただきました。

人事部が抱えていた2020年以前の業務課題

北澤:

ありがとうございます。KDDIさんにとって稟議プロジェクトは単なるシステム刷新にとどまらず、内製化という点で非常に重要な意味を持つ、ターニングポイントのようなプロジェクトだったのだなと思いました。内製化についてKDDIさんでどのように捉えているかも詳しくお話しいただけますか?

内製化の重要性

弊社のコーポレート業務に関するシステム自体を内製で「SmartDB」に集めたかったというのが前提としてあります。もちろん従業員の利便性向上は狙ったのですが、それだけでなく「KDDIっぽさ、私たちっぽさ」を出したシステムにしたいという思いがありました。
そこで、総務部のみなさんを中心に要件定義を進め、私たちコーポレートDX推進部も「今までの稟議書システムはこうだったから、次はこんなのはどうだろう」というアイデアを持ち寄って、自分たちだからこそできるシステムづくりができたと思います。
もちろん、内製化と言ってはいますが、ちゃんと要件・設計したとおりに動くか、レスポンス大丈夫かなとか、そういったより専門性が必要になる部分についてはドリーム・アーツさんとも一緒に確認して進めていました。

ちなみに、ドリーム・アーツさん含め弊社では社外のパートナーにシステム構築をお願いすることがあります。外注すること自体は悪いことではありませんが、システムの要件定義などにおいて、自分たちで自分たちらしいシステムを考えるということはとても大切だと思っています。

また、今回稟議書システムを作る際の要件定義では、「データ活用」の観点も加味して作成しました。今後生成AIにつなげていくためには、データがしっかり構造化できていることが重要です。こういった将来的にやりたいことを踏まえて自分たちでしっかりと汗をかいて考えて作ることができたのは良いことだったと思います。

北澤:

ありがとうございます。外部のリソースを使わないための内製化ではなくて、自分たちで自分たちの業務をどう改善していくか、自分たちで汗をかいて考えることが重要なのですね。

さて、まだまだお話聞きたいところではありますが、お時間迫ってきているようなので、最後にKDDIにとっての「デジタルの民主化」についてお聞かせいただけますか?

KDDIにとっての「デジ民」

はい。まずは前提として今は「変化の時代」だということです。
そのうえでやはりデータドリブンだとか、生成AIを使っていくのは当たり前に必要になってくるものだと思います。もちろん、これらをすべて内製で実現するというわけではないです。

専門家に丸投げはせずに、内製化を通じてデジタル活用の基礎を身に着け自分ごとにしていく、チャレンジしていくというのが大切だと思っています。

内製で自ら考えて作るからこそ、このデータはこのように作られるべきとか、この業務とつなげるから項目は別々に…など具体的に「あるべき姿」を描くことができます。

変化の時代において、あるべき姿を自ら描けること、専門家と協働し、変革する意識をもつことはとても大切です。そんな力の基礎となるのが、デジタルの民主化だと考えています。

人事部が抱えていた2020年以前の業務課題

北澤:

ありがとうございます。「変化を生き抜くための基礎、それがデジタルの民主化」ということで、最後にまとめていただきました。
まだまだお話を聞きしたいところではありますが、本日は以上とさせていただければと思います。
横山さん、本日は貴重なお話ありがとうございました。

 スマデビ ジャンボリー!全編の開催レポートも公開中!
 スマデビ’s got Talentに出場いただいたユーザ6社の事例講演の概要等がご覧いただけます。

 https://hibiki.dreamarts.co.jp/smartdb/sdbjamboree2025-report/

9月17日(水)開催!デジタルの民主化DAY

丸紅I-DIGIOホールディングス、赤ちゃん本舗登壇!
今年のスマデビ’s got Talentで準優勝に輝いた丸紅I-DIGIOホールディングスの登壇が決定!
11のワークフローシステムを統合した取り組みを、より詳しくお話しいただきます。
ぜひお気軽にお申込ください!