企業において必要不可欠な稟議書。近年、この稟議書を電子化して管理する企業が増えています。この記事では、稟議書を電子化して管理することによるメリットやデメリットをご紹介します。デメリットを解決しつつ、稟議書を電子管理するための具体的な手段についても触れますので、ぜひ参考にしてください。
稟議書とは
「稟議書」とは、企業において、複数人の責任者から承認や決裁をもらうための書類をいいます。一般的には、新規取引先との契約や高額な備品の購入、人材の雇用などをおこなう際に必要とされ、会社の総意を確かめるために使用されます。組織によっては、稟議書を「起案書」「決裁書」などと呼ぶこともあります。
稟議書を提出したことがある方は、多くの承認を集めなければならない面倒な手続きだと思われたかもしれません。しかし、稟議書で承認を得ることで、いちいち社内会議を開催する手間が省けるというメリットがあります。また近年、この稟議書を電子化してオンライン上で承認を得られるようにするシステムが増えています。これにより、さらに稟議の手続きを簡略化することが可能です。さらに、稟議書を電子化することにより、稟議書の管理が簡単になるというメリットもあります。
紙での稟議書の管理における課題
では、紙の稟議書を管理する際は、どのような課題があるのでしょうか?
まず挙げられるのが、保管スペースの圧迫です。紙媒体の稟議書の場合、稟議書を保管しておくためのスペースが必要です。通常、稟議書は書類1枚ではなく、関連資料など添付資料が付いています。そのため、保管スペースがどんどん圧迫されてしまいます。
さらに、保管した稟議書を探すのにも手間がかかります。たとえきちんとファイリングされていたとしても、膨大な資料の中から該当する稟議書を探すのは難しいでしょう。管理者にとっても、膨大な資料を適切に管理するのは困難といえます。
加えて、実際に紙として存在していると、盗難リスクも考えられます。毎日すべての稟議書がそろっているどうかをチェックするのは難しく、不意に1枚紛失していても、大抵の場合は気付かないでしょう。
また、現在では新型コロナウイルスの感染対策のため、テレワークを導入している企業も多いでしょう。しかし、稟議書を紙で管理している場合、提出や確認のためにわざわざ出社しなければならず、テレワークとは逆行する形となってしまいます。
稟議書管理を電子化するメリット
上記のとおり、紙の稟議書管理にはさまざまな課題があります。この課題を解決してくれるのが、稟議書の電子化です。以下では、電子化によって得られる具体的なメリットを見ていきましょう。
意思決定スピードの向上
稟議書管理を電子化する大きなメリットのひとつが、稟議フローの効率化です。紙の稟議書の場合、承認をもらうには上司に稟議書を手渡ししなければなりません。そのため上司が不在の場合は、承認までに時間がかかることもしばしば。しかしこれを電子化すれば、パソコンやスマートフォンを使って、移動中やホテルなど、どこからでも承認がおこなえます。そのため、ワークフローがスピーディーに進み、次のアクションが起こしやすくなります。 さらに、電子化することにより、だれの承認を得られて、だれがまだ見ていないのかがオンライン上でわかるようになります。そのため、承認がいつごろもらえるのか予想でき、より効率的に業務を進められます。
コスト削減
稟議書管理を電子化することにより、紙の稟議書が不要になるため、用紙代や印刷代などの削減が可能です。また、オンライン上で稟議書を保管できるため、保管スペースも不要になり、場所代も削減できます。もちろん管理作業も不要になるなど、さまざまな面でコスト削減が見込めます。
業務効率化
電稟議書を電子化すると、書類の書き方をテンプレートとして保存できるため、稟議書の作成がスムーズになります。頻繁に購入する備品の稟議書がすぐに作成できるのはもちろん、新人でもテンプレートに沿って、1人で稟議書を作成できるでしょう。 また、過去の稟議書の検索が容易になるのも、大きなメリットです。キーワードや日付、担当者などを指定して、データベースから稟議書を検索できます。これにより、稟議書を探す手間が減らせるのはもちろん、内部・外部監査にもスムーズに対応可能です。
セキュリティ強化
紙の稟議書では、保管している倉庫や書棚に対して、物理的にセキュリティ対策を講じる必要があります。一方、電子化すればオンライン上のセキュリティ対策をすればよいため、より簡単にセキュリティを強化できます。 たとえば、閲覧や編集に制限を設けたり、だれかが操作した際に履歴が残るよう設定したりすることが可能です。これにより、書き換えや盗難のリスクを低減できるでしょう。
稟議書管理を電子化するデメリット
このように、稟議書の電子化にはメリットが多い一方で、かえってコストがかかったり、業務が煩雑になったりする可能性もあります。ここでは、電子化による主なデメリットをご紹介します。
導入時に業務改革やフロー整理などのコストが必要になる
多くの企業において、稟議書の電子化に踏み切れない理由のひとつに、業務フローの変更に手間がかかることが挙げられます。
紙媒体から電子の稟議書に切り替えるには、新しい業務フローを作成しなければなりません。業務フローの変更の際は、今おこなっている手順を洗い出し、それを整理する必要があります。この業務フローの変更を面倒に感じ、「慣れている紙のままでいい」と考える企業も多いようです。また、IT機器をうまく使いこなせない社員にとっては、電子化を負担に感じてしまうこともあります。
そのため、稟議書管理を電子化する際は、社内への周知と周到な準備が必要です。たとえ業務フローの変更で時間やコストがかかったとしても、長い目で見れば大きなメリットが期待できます。社内全体でポジティブに捉えられるよう、しっかりサポートしましょう。
自社でのシステム開発のコスト
稟議書を電子化する際、自社用にシステムを開発すると、初期投資が莫大になる可能性があります。なるべく開発コストを抑えるには、比較的手軽に導入できるクラウドサービスがおすすめです。クラウドサービスであれば、ソフトのインストールや自社開発の必要がなく、費用を抑えながらシステムを導入できます。また、導入までの期間が短いのもメリットで、契約すればすぐにでも利用できます。
適切なデータ管理が必要
稟議書管理を電子化しても、ただPDFで保存しているだけでは、必要なときにデータをすぐ探し出せず、かえって管理が大変になる可能性があります。ファイル名の書き方や保存場所、データの適切な保存方法などについて、まずは社内で情報管理のルールを定めることが大事です。そのルールについて、社内教育を念入りに行うことも忘れないようにしましょう。もちろん、だれもが使いやすいシステム選びも重要です。
「SmartDB」で稟議書管理を効率化
稟議書管理の電子化におけるデメリットが気になるなら、稟議書をただ電子化するだけではなく、ワークフローの効率化にも貢献する、業務デジタル化クラウドサービス「SmartDB®」の活用がおすすめです。
「SmartDB」は、備品購入や契約締結などの稟議書を作成・管理できるアプリで、稟議書の電子管理において役立ちます。製品に搭載している「稟議申請」テンプレートを活用すれば、スピーディーに備品購入や契約締結など全5種類の稟議申請を電子化できます。もちろん、項目の追加・削除は可能なので、自社の稟議申請に合わせて自由に申請書を作成することもできます。
1.申請面でのメリット
申請に必要な内容は、事前に必須項目として登録できます。そのため、稟議書の書き方がわからない社員でも安心して利用でき、入力漏れも防げます。稟議書のやり取りで陥りがちな、差戻しの防止に役立ちます。
2.管理面でのメリット
申請された稟議書には自動で番号が振られるため、稟議書の管理がしやすくなります。申請中・差戻し・承認中など、現在のステータスも表示できます。また、それぞれのステータスに応じた表示制御により、申請者、承認者に必要な項目だけを閲覧・編集させることも可能です。管理項目など、申請者や管理者が見る必要のない項目を非表示に設定でき、部署や所属チームごとの閲覧・編集権限の制御にも対応できます。
「SmartDB」のWebデータベース機能
入力フォームの作成やデータの見え方、データの集計などの機能についてご紹介します。きめ細かいアクセス管理や自動処理、ログの管理などの管理者向け機能についてもご覧いただけます。
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3.承認面でのメリット
申請後、一定期間承認がない場合、督促通知や自動承認をおこなう機能があります。さらに、部署の10人中7人が承認したら次のフローに進む機能や複数の部署に対して並列で承認を進めていく機能など、大企業の複雑な承認フローにも対応できます。
「SmartDB」のワークフロー機能
大企業の複雑なワークフローに対応できる条件分岐や動的なルート変更についてご紹介します。内部監査にご利用いただける証跡管理やシステム連携についてもご覧いただけます。
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このように、「SmartDB」では、ただ稟議書を電子化するのではなく、稟議業務そのものの効率化が図れます。これにより、業務時間の短縮やコスト削減にもつながります。
紙の稟議書では、意思決定までに時間がかかったり、管理が煩雑であったりと、稟議のやり取りに時間がかかりがちです。稟議書管理を電子化すれば、承認がスムーズにおこなえ、管理も簡単になります。稟議書の電子化で業務改善をしたいなら、ワークフローそのものをシステム化できる「SmartDB」をぜひご利用ください。
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