LMS(学習システム)とは?eラーニング運用に必要なシステム

インターネットの発展や企業内のネットワークの広がりと共に、「eラーニング」は企業にとって身近な存在となりました。「オンライン学習」とも呼ばれ、社員の雇用形態が多様化する昨今、時間や場所を問わず学習でき、忙しい社会人の受講者にとっても便利であることからeラーニングへの注目はさらに高まっています。
そして、eラーニングを実施するために欠かせないのが「LMS」です。本記事では「LMS」について機能やメリットなどをご紹介します。
社内の教育を一元管理したい、動画教育を導入したい、研修の教育コストを抑えたいなどお考えの方はご覧ください。
*eラーニング:コンピュータとインターネットを利用した、双方向的なコミュニケーションが可能な学習方法

LMSとは

LMSとは

LMSとはLearning Management Systemの略で、学習管理システム・学習システムとも言われます。受講者がeラーニングのコンテンツを利用するときにアクセスするシステムで、教育担当者が受講者の視聴履歴や受講内容などを管理するためのプラットフォームとなります。
近年、動画教育を取り入れる企業が増え、eラーニングやオンライン研修など教育手法が多様化するなか、それらを管理し教育効果を高めるために、LMSが注目されています。
また、LMSの類語として、「eラーニングシステム」、「教育管理システム」、「研修管理システム」が存在します。これらはLMSとほぼ同様の機能を持ち合わせています。

LMSの由来

2000年代前半にeラーニングが登場して以降、管理者側と受講者側ともにさまざまな問題が発生しました。(詳しくは記事後半で触れます)eラーニングの課題を解消しメリットを十分に活かすべく、eラーニングの教材・学習管理システムとしてLMSが誕生しました。
LMSとeラーニング教材は、「水道管」と「」に例えることができると言われています。LMSは水道管として、各ユーザーの前まで整備します。そして、その水道管のなかを水(eラーニング教材)が通って、それぞれのユーザーへ届けます。これが、LMSを活用した場合のeラーニングの大まかなイメージといえます。

LMSの機能

LMSの主な機能として、「受講者と教材の管理」と「学習進捗の管理」があります。受講する教材と受講者を割り当て(マッチング)させる役割があり、たとえば「新入社員や就職内定者にビジネスマナーの教材を受講させる」などの管理が可能です。
また、下記のような個人指導の指針となるデータの一元管理ができます。ほかにも、学習進捗レポートの作成なども可能です。

  • 受講者はどれくらいのペースで学習を進めているのか
  • テストは何点獲得し、合格したか否か
  • どんな分野が強いのか・弱いのか

LMSの活用シーン

LMSは単なるeラーニング配信システムでなく、「学習のプラットフォーム」になってきており、組織的に学習をおこなうあらゆるシーンで活用されています。

①企業の研修システム

情報セキュリティ教育やコンプライアンス教育、新人教育研修など大人数相手に学習させる場合、特に規模の大きな組織ではLMSなしでの運用は困難になります。受講状況をきちんと把握し、履歴を残すためには、企業の研修システムとしてLMSが必須になります。
また、「自律学習」のためのコンテンツやプラットフォームとして企業がLMSを導入するケースもあります。

②ライブ授業

近年の傾向として、ライブ授業という形でインストラクターと受講者が同時にログインをすることで、コミュニケーションをその場でおこなえるシステムも活用されています。新型コロナウイルスや文部科学省が唱える「GIGAスクール構想」などの影響により、学校での授業のオンライン化も加速してきています。

これまでのeラーニングの課題

インターネットが普及する以前はCD-ROMやDVDなどによってパソコン学習が行われていました。教材の配布をしたあとは受講者がそれぞれ学習を開始する仕組みです。この方法では、学習提供者側で学習進捗情報の管理ができない、一度配布した教材はカリキュラムの変更や更新ができないなどの課題がありました。
そしてインターネット普及後も、下記のような公開された場ゆえの問題が発生しました。

  • 無関係のユーザーが利用しないよう受講するユーザーを管理する必要がある。
  • どの教材・コースからはじめればよいかを各ユーザーに提示する必要がある。
このような課題を教材作成者や教育担当者・学校の先生が解決するのは困難です。解決するためにはインターネットの技術的な仕組みやサーバーの知識が必要なため、多大なコストや時間が浪費されてしまいます。
そこで登場したのがLMSです。LMSは、現場の担当者でも直感的に操作可能なインターフェースや仕組みで構成されています。これにより受講者データ、教材やプログラムまでサーバー上で簡単に一括管理できるようになりました。

LMSのメリット

LMSを活用することで、多くの利点・メリットがあります。この章ではLMSのメリットをそれぞれの立場ごとにいくつか紹介します。

受講者・生徒にとってのLMS利用メリット

  • どの教材からはじめればよいか、どこまで終わらせればいいか、などがすぐに把握できる。
  • 試験結果や進捗率がリアルタイムでわかるので、学力向上・スキル習得の⾒通しを⽴てやすい。苦手分野や目標に向けての進捗がわかりやすい。
  • LMS上でディスカッションをおこなうことで、複数の受講者で学び合えるので、気づきを得やすい。

講師・先生にとってのLMS利用メリット

  • テスト結果や実施時間などが自動的に集計されるため、添削の手間がなくなり負担を軽減できる。
  • 個別の成績や進捗状況が一覧で表示・抽出できるため、⼀⼈ひとりに合った個別指導に⽣かすことができる。
  • 教材の修正、アップデートが常時可能なため、最新の教材を⼿間なく受講者に⼀⻫配信できる。

管理者・教育担当者にとってのLMS利用メリット

  • 一からシステムを構築する必要がないため、コスト・工数の削減ができる。
  • すべての受講者の学習履歴・成績などデータはすべてLMSに集中管理されるため、運用や保守が楽になる。
  • コンテンツ登録や履修者登録、受講者管理、コース割り当てまでWebブラウザ上で簡単におこなえる。


今回はLMSについてご紹介しましたがいかがでしたか?
スマートワークやリモートワークなどの言葉が注目されており働き方も多様化するなか、多くの企業で社員教育改革の取り組みが活発になってきています。今回ご紹介したLMS・eラーニングを活用して、効率的な教育、管理を目指しましょう!

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プロモG 上野谷

この記事の執筆者:上野谷 (プロモーショングループ)

金融機関に新卒入社し、3年間ほど個人営業、法人融資などの業務を経験。
2020年にドリーム・アーツに入社し、本部-店舗間コミュニケーションツール「Shopらん」のマーケティングを担当。2021年からプロモーショングループの一員になりました。