FAQ管理システムとは?社内ナレッジを公開し問い合わせ対応効率化!

「ユーザーからの問い合わせ件数を減らしたい、社内問い合わせ対応業務の負担を軽減したい」と考えたときに、導入をおすすめしたいのがFAQ管理システムです。FAQ管理システムでFAQを整備すると、ユーザーや社員は疑問を自己解決できるようになります。 今回は、そもそもFAQシステムとはどのようなものなのか、備わっている機能や導入することで得られるメリット、選定時のポイントなどを事例とあわせて解説します。FAQをサクッと作れるツールも紹介しますので、ご参考にしてください。

そもそもFAQシステムとは?

FAQシステムとは、よくある質問(Frequently Asked Question)を登録し、ユーザーが自ら検索して必要な答えを引き出せるようにするツールを指します。
FAQシステムには、以下のような機能が備わっているのが一般的です。

  • 質問・回答を登録する機能
  • 検索機能
  • データの蓄積・分析機能

FAQシステムを導入すると、ユーザーの利便性が向上するのに加え、現場の問い合わせ対応を減らす効果を得られます。

チャットボットとの違い

「ユーザーの質問に答える」と聞くと、チャットボットを思い出す人もいるのではないでしょうか。FAQシステムもチャットボットも、ユーザーが自ら質問し、必要な回答を引き出す点は同じですが、両者には以下のような違いがあります。

      FAQとチャットボット

FAQシステムは、対話形式で利用できるタイプもありますが、ユーザー自らがキーワードを入力して検索する形式が一般的です。FAQシステムでは全画面表示できるので、長文での回答が得意なことが特徴です。
一方チャットボットは、画面の片隅に小さなチャットウインドウが開かれ、「なにかご質問はありませんか」と質問を待ちます。ユーザーは提示されている選択肢を選んだり、チャット形式で質問を入力したりして回答を引き出します。チャットボットでは小さなチャットウィンドウ内で回答するため、長文は得意ではありません。長文の回答が必要な場合は、リンクで誘導するのが基本です。

両者の適性を考えると、簡潔な回答を求める場合はチャットボット、長文でていねいな回答を返す場合はFAQシステムが向いているといえるでしょう。

活用場面

FAQシステムは、以下のような場面で活用できます。

  • ユーザーの質問への回答
    自社サイトやECサイト、スマホアプリを利用するユーザー向けに「よくある質問」のページを開設し、利便性向上や問い合わせ数を削減したいとき
  • 社内ヘルプデスク(バックオフィス)
    情シスや総務、経理など、社内問い合わせ対応が多い部門の負担を減らし、業務を効率化したいとき
  • コールセンター
    オペレーターが対応時に参照するマニュアルとして導入し、回答の均質化を図りたいとき

FAQシステムの基本的な機能

FAQシステムの基本的な機能として、検索機能と管理機能を紹介します。

よくある質問の検索

FAQシステムのもっとも基本的な機能は、以下のような検索機能です。

  • カテゴリーから目的の回答を探すカテゴリー検索
  • 検索ウィンドウにキーワードを入力するキーワード検索
  • 自然文入力による検索

カテゴリー検索やキーワード検索が主流だったFAQシステムですが、近年AIが発達したことで、自然文入力による検索に対応するFAQシステムも増えてきました。ほかにも検索結果にタグ付けしてタグ検索できるものや、設問を分岐させることでより複雑な質問に対応するものもあります。
検索精度でFAQシステムの使い勝手が決まるため、検索機能はFAQシステム選択時にもっとも重視すべき機能です。

FAQの管理

FAQシステムには、よくある質問とその回答を登録・管理する機能も備わっています。管理機能は、ユーザーではなく管理者が使用する機能です。
FAQの検索機能がどれほど高性能であっても、キーワードと回答が適切に紐付けられていなければ、適切な回答を返せません。求める回答を得られなければユーザーの利便性を損ない、満足度も下がるでしょう。

FAQシステムは継続的に改善を繰り返していく必要があるため、 FAQの登録や編集、タグ付けなどを簡単におこなえるシステムであることが重要です。管理に手間がかかるようだと、更新されないままとなりかねません。
ユーザーがどの程度疑問を解決できたか解決率を確認できる、よく検索されるけれども質問や回答が登録されていないキーワードを提示する、といった機能が搭載されていると、改善しやすくなるのでおすすめです。

FAQシステムの主な導入目的

FAQシステムはどのような目的で導入されることが多いのでしょうか?主な目的をふたつ紹介します。

問い合わせ件数の削減

FAQシステムのもっとも多い導入目的は、問い合わせ件数の削減です。
コールセンターや社内のバックオフィス部門には、毎日ユーザーや社員からさまざまな問い合わせが寄せられます。しかしなかには以下のような、「だれが答えても同じ」「何度も繰り返される」ような内容も少なくありません。

  • 送料や利用できるクレジットカード
  • 出張費精算の期日
  • 有給申請の方法

このような質問が繰り返し寄せられるのは、疑問を解消する術がないのが理由と考えられます。
「よくある質問のページはある」というケースでも、検索機能が備わっていなければ、使い勝手が悪く利用してもらえません。検索機能がなければカテゴリーから目視で探必要がありますが、項目が多いと面倒になり「電話したほうが早い」と感じるためです。

そのようなケースでFAQシステムを導入すると、ユーザーや社員は疑問を自己解決できるようになります。結果的に問い合わせ件数が減り、同じような質問に回答しなくてよくなります。

業務効率化

FAQシステムは、コールセンターやバックオフィスの業務効率化を目的に導入されることもあります。
たとえば社内問い合わせ対応をしているバックオフィス部門は、日中は問い合わせ対応に追われてしまうことも少なくありません。とくに以下のような時期には、問い合わせが集中する傾向があります。

  • 新しいツールを導入したとき
  • システムを入れ替えたとき
  • 年度末の年末調整の時期
  • 人事異動の時期

このような時期は、自身で抱えている業務をこなせず、残業となってしまうこともあります。そのようなケースでFAQシステムを導入すれば、問い合わせ件数が減り、コア業務に集中できるようになり業務効率が上がります。
コールセンターにおいても簡単な問い合わせが減ることで、ユーザーが自己解決できなかった難易度の高い質問にだけ集中できるようになるでしょう。

FAQシステムのメリット

FAQシステムを導入することで得られるメリットは4つあります。

  • 問い合わせ件数を減らせる
  • 顧客満足度を上げる
  • 対応品質を均質化できる
  • 社内問い合わせ対応の負担を減らせる

順番に解説します。

問い合わせ件数を減らせる

ユーザーや社員がFAQシステムで疑問を解決できるようになると、問い合わせ件数を削減できるのがもっとも大きなメリットです。対応する社員は、より複雑・難易度の高い問い合わせ対応に、十分な時間を割けるようになります。問い合わせ件数が減ることで、オペレーターの人数を削減する、バックオフィスの残業代が減るなど、人件費の低減につながる可能性もあるでしょう。

顧客満足度や従業員満足度を向上できる

FAQシステムを導入すると、顧客満足度や従業員満足度を向上できるのもメリットです。 FAQシステムがあると、24時間365日いつでも回答を引き出せるようになるためです。製品やサービスに疑問や不満があっても、電話で問い合わせるのは手間と感じる人は少なくありません。また働き方が多様化したことで、社員が早朝や深夜、週末に疑問を解消したい場合もあります。
そのようなときにFAQシステムがあると、ユーザーや社員はいつでも疑問を自己解決できるので、満足度が上がるのです。

コールセンターの対応品質を均質化できる

FAQシステムをコールセンターに導入すると、新人であっても一定レベルの回答を返せるようになるため、対応品質の均質化を図れるのもメリットです。
コールセンターでは、人によって対応品質が異なるケースが珍しくありません。コールセンターは人の入れ替わりが多く、新人とベテランでは同じ対応ができないためです。同僚やベテランに指示を仰いでいると時間がかかり、顧客満足度が下がる恐れがあります。そのようなときにFAQシステムを導入し、回答マニュアルとして利用すると、対応品質を一定の水準に保てるようになるのです。

社内問い合わせ対応の負担を減らせる

社内問い合わせに対応している情シスや総務などの、問い合わせ対応の負担を減らせるのもFAQシステムを導入するメリットです。
バックオフィス部門は社内問い合わせ対応の負担が重く、日中は自身の業務に手をつけられず、結果的に残業してこなすことも少なくありません。肉体的・精神的に疲弊してモチベーションが下がると、離職につながる可能性もあるでしょう。

FAQシステムの導入で問い合わせ対応業務の負担を軽減できると、担当者は本来の業務に集中できるようになります。その結果、業務効率や生産性の向上にもつながります。

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場面別 FAQシステム選定のポイント

ここからは、以下の3つのケースごとに、FAQシステム選定のポイントを解説します。

  • FAQを設置していない
  • FAQがあっても問い合わせが減らない
  • 業務の効率をよくしたい

順番に確認しましょう。

FAQを設置していない

自社サイトや社内ポータル、コールセンターなどにまだFAQを設置していない場合は、とにかくシステムを導入することが大切です。その際には、導入に工数をかけなくてすむシステムを選ぶことがポイントです。
FAQを設置していない場合は、あらかじめよくある質問と回答を洗い出して設定する必要があり、運用を始めるまでに手間と時間がかかります。

しかしFAQを設置したいと考えるような部署は、多忙なケースがほとんどです。そのため手間がかかるシステムだと手が回らず、頓挫する可能性があります。回答ページが100ページ以下であるなら、それほど高機能なものでなくてよいので、導入サポートがついている手厚いサービスを選びましょう。

FAQがあっても問い合わせが減らない

FAQが設置されているにもかかわらず利用されていない場合は、検索性が低いことが考えられます。そのため検索性を向上できる、以下のような機能が備わった、ある程度高機能なFAQシステムを選ぶことが大切です。

  • 「よく検索される質問」や「FAQランキング」などを表示できる
  • 入力したキーワードや質問に適した回答をサジェストしてくれる
  • 回答にタグ付けして関連のFAQを表示できる
  • 細かにカテゴリーを分けられる

ただし機能性が高くても、管理側の操作性が低ければ、手間がかかってしまいます。そのためFAQシステムの選定時には、質問と回答の登録・紐付けやタグの設定が容易にできるかなど、管理画面の使いやすさも確認しましょう。

業務の効率をよくしたい

FAQシステムの導入目的が業務効率向上である場合は、作成したFAQコンテンツのメンテナンス性を重視することが大切です。いくら高機能なFAQシステムを導入しても、利用状況を分析して改善していかなければ、よい効果を得られないためです。改善を進めるためには、回答率の低い質問や、検索頻度は高いのに適切な質問が用意されていないキーワードを提示してくれる機能が備わったシステムを選ぶとよいでしょう。

カスタマーサポートやコールセンターで利用するのであれば、既存の問い合わせ管理システムや、CRMなどの外部ツールとの連携性も重要です。外部ツールと連携することで、さらに業務効率の向上が期待できます。

FAQシステムの導入事例

ここからは、3社におけるFAQシステムの導入事例を紹介します。それぞれ導入目的が異なるので、自社に近い事例を参考にするのがおすすめです。

ユーザー向けFAQシステムの導入事例

大手旅行代理店のA社は、顧客ひとりあたりの通話での対応時間が長くなりがちなことが課題でした。そこで対応時間の短縮を目的に、航空券やホテルをすでに予約、あるいは予約を検討している顧客に対応させるFAQシステムの導入を決めました。

FAQシステムは、ユーザーが閲覧していたFAQをログとして残せるものを選定。FAQシステムからオペレーター対応に切り替えたときでも、ユーザーがどのような課題を抱えているのかを推察できれば、ヒアリングの時間を短縮できます。FAQシステム導入後は、対応時間の削減に成功しました。

コールセンター向けFAQシステムの導入事例

衣類の通販サイトを運営するB社では、FAQページは用意していたものの、30個程度しか項目がなく、コールセンターへの問い合わせが減らない状態でした。FAQページを更新するにはWebチームに依頼する必要があり、反映に時間がかかるなどさまざまな課題を抱えていました。

そこでB社ではFAQシステムを導入。自分たちで簡単にFAQを追加できるようになりました。オペレーターは電話対応時にお客さま向けFAQやオペレーター向けFAQをマニュアルとして活用することで、回答品質向上につながりました。

社内ヘルプデスク向けFAQシステムの導入事例

建設会社のC社では、煩雑な手続きを要する社内の事務手続きについての問い合わせ対応に課題を抱えていました。そこで社内問い合わせに対応させるために、FAQシステムを導入します。

FAQシステムには、項目の追加や編集を簡単におこなえるシステムを選定しました。FAQは、用意するだけではなく、改善して最適化していかなくては利用率が向上しません。C社では定期的に改善を繰り返すことで、現状に即した適切なFAQが提示されるようになり、社内ヘルプデスクへの入電数の削減を実現しました。

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FAQを「SmartDB」でサクッと作ろう!

FAQが必要になったからといって、新たなシステムを導入する必要はありません。
「SmartDB」のフォームにQuestionとAnswer、2つの部品を用意するだけ。
整理しやすいようにカテゴリーを追加したり、下書き/公開のステータスを持たせてもいいですね。

部品を設置

公開する前に確認ステップを入れるワークフローを組み合わせてもOK!

ワークフローと組み合わせ

「SmartDB」ならこのようなワークフローを素早く簡単に作れます。
さらに、「SmartDB」で作れば以下のような点が便利です。

利用者にとって

  • 情報が1ヵ所に集まり最新の情報がわかる
  • 知りたいキーワードで検索ができる
  • カテゴリーから絞り込みができる
  • FAQを評価したりコメントを入れることができる

管理者にとって

  • 項目やカテゴリーは自由に設定できる
  • 画像を埋め込んだり太字や色付き文字で強調することができる
  • 公開用と下書きを分けて管理できる
  • 上長の確認を得てから自動で公開できる
  • 更新履歴も保持されるため複数人でのメンテナンスに適している

FAQシステムを利用してみよう

「SmartDB」でFAQシステムをつくってみました。「SmartDB」の特徴とあわせて、どのように利用できるのかご紹介します。

1.必要な情報がすぐに見つかる検索機能

カテゴリーで絞り込んだり、知りたいキーワードで検索できます。

FAQ一覧カテゴリ検索Ver. FAQ一覧キーワード検索Ver.

2.だれがみてもわかりやすい表現力

文字だけの情報より画像があるとどこを見ればよいか、一目瞭然です!

FAQ閲覧

ユーザーからのフィードバックで磨き続けられるシステム

参考になったかどうか、リアクションしたりコメントをすることができます。

FAQコメント

まとめ

いかがでしたか?FAQシステムを導入する際には、目的や現状の課題を洗い出し、目的にあったサービスを選びましょう。
「SmartDB」であれば、お客さまの業務にあわせて項目やカテゴリーを自由にカスタマイズでき、検索機能も充実しています。外部システムとの連携も柔軟なため、将来的な拡張性も備えております。ご興味ございましたらお気軽にお問い合わせください。

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この記事の執筆者:加藤(マーケティング本部)

2017年に新卒でドリーム・アーツに入社。
営業部門やインサイドセールスチームでの業務を経て、現在はマーケティング部門にてコンテンツの作成に従事。物理的な声の大きさだけが取り柄だと思っていますが、文章という形でみなさんのお役に立てる情報をお届けできるよう頑張ります!