ヒューマンエラーとは?原因や対策方法を解説!

「うっかりミス」のひと言ですまされやすいヒューマンエラー。しかしヒューマンエラーを放置していると、やがて企業にとって大きなリスクにつながる可能性があるため注意が必要です。
ヒューマンエラーには発生する原因があり、適切な対策を取ることで軽減できます。今回は、ヒューマンエラーが起こる5つの要因や対策を、事例を交えて解説します。「ヒューマンエラーがなくならない」とお困りの方は、ぜひご参考にしてください。

ヒューマンエラーとは?

ヒューマンエラーとは、なんらかの目的をもって業務をおこなっている際に、人為的な要因によって意図せぬ結果、とくに望ましくない結果が発生することを指します。
ヒューマンエラーは、単なるうっかりミスですむこともあれば、事業に深刻な影響を与えることもあります。そのため、企業はヒューマンエラーができるだけ発生しない環境作りに取り組まなければなりません。
ヒューマンエラーには、「コミッションエラー」と「オミッションエラー」の2種類があります。

ヒューマンエラーの種類

コミッションエラー

コミッションエラーとは「やるべきでないことをした」「やる必要がないこことをした」など、想定とは異なる行為がなされたときに発生するエラーを指します。

<コミッションエラーの例>

  • 道具を使う順番を間違えた
  • Aのボタンを押すはずがBを押した
  • 次の工程に進むのが早すぎた

コミッションエラーは、行為の過程に誤りがあったことに起因するため、「実行エラー」と呼ばれることもあります。コミッションエラーは、まだ業務に不慣れなときに発生しやすいエラーです。

オミッションエラー

オミッションエラーとは「やるべきことをしなかった」ことが原因で発生するエラーのことです。

<オミッションエラーの例>

  • 手順を飛ばしてしまった
  • メールの確認を怠った
  • 上司に確認するのを忘れていた

オミッションエラーは、本人も意図せずうっかり忘れてしまうこともあれば、業務時間を短縮したかった、問題ないと思ったなど、意図的におこなった行為が原因で発生することもあります。オミッションエラーは、業務に慣れたときに発生しやすいエラーです。

ヒューマンエラーが起こる主な原因

ヒューマンエラーが起こる主な要因には、以下のようなものがあります。

  • 認知ミス
  • 判断ミス
  • 知識やスキルの不足
  • 慣れによる手抜き
  • コミュニケーション不足

5つの要因の内容を、順番に紹介します。

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認知ミス

認知ミスとは、「〇〇に違いない」といった先入観や固定観念が要因とされるヒューマンエラーです。

<認知ミスの例>

  • 提出期限は来週だと思い込んでいた
  • 毎月同じ発注数なので同じ数だけ送ったら今回は違っていた

このような「思い込み」や「決めつけ」で発生することが多いエラーで、あとから考えてもなぜそう思ったのかわからないことが多いのが特徴です。

判断ミス

判断ミスは、認知は正しいにもかかわらず、判断が適切でなかったことが原因で起こるエラーです。

<判断ミスの例>

  • 値引きの相談を受け、上司に相談せずに了承してしまった
  • 納期に間に合うと思って引き受けたが、時間が不足した

判断ミスは「この程度なら問題ないだろう」「自分の判断は正しい」と思い込むことにより発生します。

知識やスキルの不足

業務に対する知識やスキルが不足していると、ヒューマンエラーが発生することがあります。

<知識やスキルの不足の例>

  • 計算方法を間違えて見積を出してしまった
  • 使い慣れない道具で作業し、誤った箇所を切断した

知識やスキル不足が要因のヒューマンエラーは、入社して間もない新人や業界経験が浅い人などに発生しやすい傾向があります。

慣れによる手抜き

業務に慣れてくると、「時間を短縮したい」「楽をしたい」と思うことで、手抜きによるエラーが発生しやすくなります。

<慣れによる手抜きの例>

  • これまでミスがなかったので最後のチェックを怠った
  • 手順書を確認せずに進めたら手順が変わっていた

慣れによる手抜きは、ベテランが「このくらいなら大丈夫」と慢心することで起こりやすいことが特徴です。

コミュニケーション不足

複数人で業務にあたるときに、情報が共有されていなかったり漏れていたりすることでヒューマンエラーが発生することもあります。

<コミュニケーション不足の例>

  • 作業工程に変更があることを十分周知できていなかった
  • 「だれかがやっている」と思っていたらだれもやっていなかった

コミュニケーション不足によるヒューマンエラーは、かかわる人数が多いほど発生しやすいことが特徴です。

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ヒューマンエラーの主な事例

ここではよくあるヒューマンエラーの事例を3つ紹介します。

誤発注や誤発送

誤発注や誤発送、比較的よくあるヒューマンエラーの事例です。100個発注するつもりが1,000個発注してしまった、2個頼んだつもりが2ケース届いたなど、個数や単位の入力をうっかり間違えることにより起こります。反対に「出荷数を間違えた」「出荷日を勘違いしていた」といったケースもあります。誤発注や誤発送が発生すると、不良在庫を抱えたり、取引先の業務に影響を与えたりする可能性があります。誤発注や誤発送は、エラー自体が発生しない仕組み作りが必要です。

情報漏えい

情報漏えいは、「BCCとCCを間違えた」「FAXの短縮番号を押し間違えた」といった不注意や、「管理パスワードの管理が不十分だった」「セキュリティシステムが更新されていなかった」などの管理ミスが原因で発生することがあります。
またリモートワークが多くなった近年は「ノートパソコンを外出先に置き忘れた」「USBを紛失した」といったケースもあります。情報漏えいは、企業のリスク管理の甘さが世間に知れ渡り、社会的信頼が失墜する恐れがあるため十分な注意が必要です。

業務中のケガ

「脚立から下りるときに足を踏み外して転落した」「カッターで作業中に指を切ってしまった」など、業務中にケガをすることもあります。このようなケガは不注意や気の緩み、単純作業の繰り返しによる集中力の低下など、「注意していれば防げた」ものが多いことが特徴です。
ちょっとしたケガですめばよいものの、場合によっては大事故につながる恐れがあります。単純作業中は意識的に休憩を入れる、「このくらい大丈夫」と油断しないといった心がけが重要です。

ヒューマンエラー対策に必要なポイント

ヒューマンエラー対策をおこなうときには、以下の4つのポイントを押さえる必要があります。

  • 事前に検知する
  • 情報を集める
  • 分析する
  • 対策を講じる

順番に解説します。

事前に検知する

ヒューマンエラー対策では、まずはエラーの芽をできるだけ早く摘み取れるよう、検知できる仕組みを整えることです。エラー検知で代表的なのが、1人が作業したあとに、別の人がチェックをおこなう「ダブルチェック」です。作業をした人とは別の視点でチェックすることで、エラーを発見しやすくなります。

情報を集める

ヒューマンエラー対策をどのようにおこなうとよいのか、情報を集めるのも有効です。自社と同じ業種で発生しやすいヒューマンエラーの事例を集められると、おおいに参考になるはずです。書籍を読むのはもちろん、近年はヒューマンエラー対策のオンラインセミナーの開催も多いので、参加してみてもよいでしょう。

分析する

実際にヒューマンエラーが発生したときは、解決した時点で安心してしまいがちです。しかしそこからあらためてエラーを振り返り、なぜ起こったのか、どうすれば防げたのかを分析することが大切です。根本的な原因が不明なまま対策を講じても、的外れだったり、抜本的な解決とはならなかったりする可能性があります。

対策を講じる

原因が分析できたら、それに応じた適切な対策を講じます。同じようなヒューマンエラーが発生しないよう、今後どのような対応を取るのかを決め、同じ業務に関わる従業員に周知しましょう。また、講じた対策が個人の能力に依存するようなものではあまり意味がありません。だれもが守れるような仕組みとして設計する必要があります。デジタルツールを活用し業務フローをデジタル化することも有効です。

ヒューマンエラーの対策方法

ヒューマンエラーを防ぐ具体的な対策としては、以下のようなものがあります。

  • ヒヤリ・ハットをまとめる
  • マニュアルを整備する
  • チェック体制を整える
  • ツールを導入する

順番に紹介します。

過去のヒューマンエラーをまとめる

まずは、これまでに社内で発生したヒューマンエラーを一覧にまとめましょう。一覧には、以下の内容を含めます。

  • 発生したヒューマンエラー
  • 分析した内容
  • 講じた対策または検討中の内容

過去に起こったヒヤリ・ハットも含めるとよいでしょう。

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マニュアルを整備する

業務マニュアルがない、あるいは内容が不十分な場合には整備しましょう。マニュアルを作るときには、以下のポイントを押さえます。

  • 図や写真を使用し、初心者でも手順や内容がわかるものにする
  • ミスしやすいポイントを伝える
  • 確認の方法・手順を明記する

マニュアルは初めて業務に取り組む人でも、一目で理解できるものにすることを意識して作成しましょう。

チェック体制を見直す

ヒューマンエラーを未然に検知できるよう、以下のようにチェック体制を見直します。

  • これまでのやり方が正しい・安全だと思い込んでいないか
  • 点検や検査のダブルチェック体制は整っているか
  • 責任者は明確にされているか

ヒューマンエラーは、複数人がチェックにかかわると低減しやすくなるのがポイントです。

社内の風通しをよくする

ヒューマンエラーを防ぐには、社内の風通しがよいことも重要です。

  • 全社的にヒューマンエラー防止に取り組んでいる
  • ヒヤリハットの情報を共有できる
  • ヒューマンエラーが起こっても、速やかに対策が取れる体制が整っている

ヒューマンエラーが発生した際に言いだしにくい環境だと、エラーを隠したり、カバーするためにさらなるミスが発生したりする可能性があるため注意しましょう。

ツールを導入する

ヒューマンエラーは、ツールの導入で大幅に軽減につながる可能性があります。たとえば「対応漏れ」が多いケースでは、以下のようなツールの導入が考えられます。

  • 「タスク管理ツール」を導入してプロジェクトのスケジュールを共有する
  • 「業務フローシステム」を導入して承認フローの進捗を可視化する

自社で発生しがちなヒューマンエラーの削減に、適したツールを選びましょう。

ヒューマンエラーの対策事例

ヒューマンエラーが発生すると、企業にとって大きなリスクとなりかねません。ここでは現場ごとに、ヒューマンエラーの具体的な対策事例を紹介します。

工事現場

真夏の工事現場は高温になり、個人に対策を任せていると熱中症の危険性が高まります。そのため以下のような対策を検討します。

  • 15〜20分ごとにスポーツドリンクで塩分と水分を補給するよう徹底するる
  • 定期的に休憩時間を設ける
  • 作業員の作業着を、通気性のよい素材に変える

作業員の体調管理ができると、注意力を保てるため事故のリスクを低減できるのもメリットです。

医療現場

医療現場でのヒューマンエラーは、患者の命に直結します。医療現場で考えられるヒューマンエラー対策には、以下のようなものがあります。

  • イラストを活用した危険予知トレーニング
  • 引き継ぎ時の短時間ミーティング
  • 手順書の作成と共有

医療現場では、とくに患者情報を正確に共有することが重要です。

鉄道現場

大勢の乗客を運ぶ鉄道でヒューマンエラーが発生すると、重大インシデントにつながる恐れがあります。鉄道現場では、以下のような対策が考えられます。

  • 速度制限装置を設置する
  • 異常が発生したら列車が停止する装置を設置する
  • ヒューマンエラーが起こっても、速やかに対策が取れる体制が整っている

鉄道現場では、そもそもヒューマンエラーが発生しないよう、装置で制御する取り組みが効果的です。

「SmartDB」で業務デジタル化しヒューマンエラー対策!

ヒューマンエラーの発生を防止するためには、業務フローをデジタル化してしまうことがおすすめです。業務の進行を個人の認識や判断に委ねることなく、決まった条件ごとに自動的に業務のフローを決定することができるため対応漏れなどのミスを防止できます。業務フローのデジタル化をご検討される際は、ドリーム・アーツの「SmartDB」がきっとお役立ちできます。

「SmartDB」は非常に柔軟なワークフロー機能とWebデータベース機能を持ち合わせた大企業向け業務デジタル化クラウドです。部門個別の簡易業務から全社横断的な複雑なものまで、あらゆる業務のデジタル化が可能です。そのため全社的にヒューマンエラーが起きにくい環境作りを実現いただけます。
具体的には「SmartDB」で業務プロセスをデジタル化すると次のような効果が期待できます。

  • 情報入力時の入力値や必須項目を自動チェックし入力内容の間違いやヌケモレを防止
  • 入力した情報に応じて業務フローが自動決定される。確認すべき関係者への通知やリマインドもされるため確認漏れが起きにくい(モバイルにも対応)
  • 「SmartDB」ひとつで部門個別の簡易業務から全社横断的な複雑なものまで、全社のあらゆる業務のデジタル化が可能
  • 編集・閲覧権限は部署単位・役職や個人名単位でも設定できるため、誤って情報を開示・または更新されることがない
  • 排他制御も可能なため先祖返りも起きない。万が一誤って更新したとしても更新履歴が記録されているため取り戻しも可能(添付ファイルも含め履歴が残る)
関連資料
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まとめ

ヒューマンエラーは、判断ミスや慣れによる手抜きなど、さまざまな原因で発生します。ヒューマンエラー対策をするときには、自社でこれまで発生した事例をヒヤリ・ハットを含めて集め、分析することが大切です。

ヒューマンエラーの多くは、原因に応じた適切なツールを活用することで軽減できます。発生したヒューマンエラーとその原因、対策の結果などの情報を蓄積できる「SmartDB」なら、継続的な分析と対策の改善にも役立ちます。

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この記事の執筆者:加藤(マーケティング本部)

2017年に新卒でドリーム・アーツに入社。
営業部門やインサイドセールスチームでの業務を経て、現在はマーケティング部門にてコンテンツの作成に従事。物理的な声の大きさだけが取り柄だと思っていますが、文章という形でみなさんのお役に立てる情報をお届けできるよう頑張ります!