なぜペーパーレス化が進まないのか?

2019年に政府主導の働き方改革が始まってから、企業におけるペーパーレス化が注目されてきましたが、いまだにペーパーレス化が進んでいないと悩んでいる企業も多いのではないでしょうか。私も前職で大手小売り企業に勤めておりましたが、上司に承認を得る際には、捺印するための書類を印刷したり、ミーティングのたびに参加者全員分の資料を印刷していたりしました。 そのため、業務終了時にはデスクに大量の紙資料が重なり、情報の整理にもとても時間がかかっていました。みなさんも職場で、同じような経験がありませんか?

今日はペーパーレス化が進まない原因と、どうすればペーパーレス化を進め、紙業務を減らすことができるのかについてお話していきたいと思います。

企業におけるペーパーレス化の実態

ペーパーレス化が注目されるようになり、その重要性については理解していても、実際の推進に苦戦している企業が多いのが現状ではないでしょうか。ではなぜペーパーレス化は進まないのでしょうか、それにはいくつかのポイントがあると考えます。

ペーパーレス化の図

出典:https://www.concur.co.jp/newsroom/article/pr-telework-survey

ペーパーレス化における弊害

ペーパーレス化を進めるにあたって、以下のような弊害があげられるかと思います。

  1. 現行の紙業務の電子化が難しい
  2. ペーパーレス化には取り組んだことはあるが、全員に浸透せず進んでいない
  3. システムのセキュリティに不安がある
  4. 書面で確認するのに慣れており、なかなか業務オペレーションを変えられない
上記の各ポイントを詳しく説明していきます。

(1)現行の紙業務の電子化が難しい

今までの紙業務を無くすというと、まず帳票の電子化が可能なのか不安に思うのではないでしょうか。現在、法律的な観点では、「書面化が必要」と定められている不動産に関する書面を除けば、あらゆる書類は電子化が許されています。そのため、大抵の帳票については法律上電子化をおこなうことができると言えます。元来は「紙」の書類によって遂行されてきた国や地方自治体による行政サービスにおいても、電子化の流れが加速度的に進んでいます。

次に「見た目」の観点です。帳票を電子化する際に、紙と電子化された帳票の見た目を同じようにすることが難しい点があると思います。あくまで紙で運用していた際の帳票は、手書きすることを想定しているなど、紙ならではの条件に合わせたフォーマットで作成されています。そのため、電子化後にまったく同じフォーマットでの帳票イメージを実現しようとすると、システムでの再現が難しいケースも出てきます。企業によっては、紙業務時代とまったく同じ見た目の帳票が実現できないことでペーパーレス化をあきらめてしまう場合があるかもしれません。

しかし、本当に求めることは紙で運用していた時の見た目や業務フローをそのまま電子化する事ではなく、その業務において本当に必要な情報を取り扱うことができ、また、問題なく業務を遂行することができるということではないでしょうか。今までの帳票や業務の流れにとらわれず、必要であれば情報の見え方や業務フローも適宜変えるよう柔軟に考えていくスタンスを持つことも、ペーパーレス化をスピーディーに進めていくカギとなります。その上で、前述のように不動産関係の帳票など、法律上どうしても紙での提出が必要な帳票については、厳格なフォーマットを再現することができるシステムを活用し対応していきましょう。

参考:厳格なフォーマットを再現するSVFとSmartDBを組み合わせて、帳票を電子化

(2)ペーパーレス化には取り組んだことはあるが、全員に浸透せず進んでいない

ペーパーレス化を進める際、一度に全ての業務のペーパーレス化するのは時間も工数もかかることから、段階的に始めていくというのもよくある例ですが、その際にペーパーレス化が中途半端になってしまい、全社に浸透しないといったこともあるでしょう。私も前職にて、ペーパーレス化に取り組んではいるが電子化されていない業務が膨大に残っている状況でした。情報システム部門は多忙で手が回らず、全社的に、現場の各部署が必要に応じて自分たちで業務を電子化していくという方針になっていたにも関わらずITリテラシーがない事や通常業務で多忙のため進まないといったことが発生していました。

ペーパーレス化に取り組む際は情報システム部門やITに知見のある人でなくても自律的に活用できるツールを選ぶことが重要です。また、短期間での業務の電子化に役立つテンプレートが充実していることや参考にできる他社事例が充実していることも大切です。社員への浸透を深めるためには、ペーパーレス化を進める業務の選び方も重要です。利用頻度が多いけれど、万が一運用がうまくいかなくてもクリティカルな影響につながらない業務にて、利用範囲を少しずつ広げていくこともコツの一つです。例えば、会議資料の電子化です。

参考:失敗しないペーパーレス化の進め方とは
参考:「運営」と「紙」、どちらのコスト削減も実現する「ペーパーレス会議システム」

(3)システムのセキュリティに不安がある

今まで紙でやり取りしていた書類を電子化する場合にまずはセキュリティの心配があるかと思います。ここの対策をしっかり行わずに紙業務の電子化に取り組んでしまうと、企業の社会的信用を失いかねない事態を招いてしまいます。安心してシステムを利用していくには、ISMS認証(※)を取得している信頼できるシステムを選ぶことが有効です。
また、紙で保管するよりも電子データで保管した方が安全であるともいえます。 私も前職では大量の紙を使っていたので、それを破棄する際は必ずシュレッダーをかけていましたが、結構な時間がかかるうえ、全員が必ずそれを実行できているとは限りません。万が一、自宅などでシュレッダーをかけずに破棄したものが外部に流出してしまっては大変なことです。

ISMS認証とは?
ISMSクラウドセキュリティ認証はISMS(ISO/IEC 27001:2013)に加え、クラウドセキュリティ固有のセキュリティ管理策(ISO/IEC 27017:2015)に基づく要求事項(JIP-ISMS517-1.0)を満たすマネジメントシステムが確立・実施されていることを第三者が審査し認証する国際規格です。

(4)書面で確認するのに慣れており、なかなか業務オペレーションを変えられない

長年の紙業務でのオペレーションに慣れていることからなかなか新しい業務に抵抗がある人もいるかと思います。長く働かれている人ほどそのように感じる人も多いのではないでしょうか。業務において決定権を持つ役職者の方がペーパーレス化に消極的で、ペーパーレス化が進まないということもあるかもしれません。

私が前職で商品計画の部署にいた際、毎週商品の発注に際して在庫数や販売計画等記載した資料を印刷してコメントなどを記載の上、各部署や上司に捺印をもらう業務がありました。これは電子化するのにはそう難しくない業務でしたが、今までの慣習でそういった業務フローになっていたことや、上司にとってはその方法が楽であるからという理由で電子化せずに残っていました。しかし、確認をもらうには様々な部署のデスクに置きに行く必要がありますし、書類紛失する危険性もあるため最適な方法とは言えません。ペーパーレス化を進めていくには、ペーパーレス化のメリット安全性についてもしっかりと周知していくことや、デバイスの操作に慣れない社員にリテラシー教育をしていくことも大切です。

また、ペーパーレス化を進めるからといって全ての紙を排除する必要はありません。中には電子化するよりも紙のままほうが効率の良い業務も存在します。例えば、製造業の設計書の確認や指摘などです。印刷した図面の方が、全体を俯瞰してみることができたり、手書きのコメントやイラストの方がすばやく指摘事項をフィードバックすることができたりすることがあります。このように、電子化を検討の上で紙業務のままのほうが効率が良い場合には、無理にすべてをペーパーレス化することはせずに、必要に合わせて従来の形式を残しておくのがおすすめです。

また、最近では電子化のハイブリッドなシステムも生まれています。例えば業務情報を記入した紙を画像として読み込み、OCR(Optical Character Recognition/Reader、光学的文字認識)でテキスト情報を電子化し、ワークフローや文書管理システムと連動するようなものです。特定の業務については引き続き紙を用いたり、紙とシステムを連動させたりすることも含めて、できるだけ柔軟に考え、自社にとって最適な仕組みを考えていくことが大切です。

ペーパーレス化によるメリット

ここまでペーパーレス化がすすまない原因や、どうすればペーパーレス化を進めて業務を効率化できるのかをお話ししてきましたが、ペーパーレス化を定着することができれば以下のようなメリットが期待できます。

  • 組織全体の生産性向上
  • データ保全
  • リスクヘッジになる

組織全体の生産性向上

ペーパーレス化によって資料を簡単に検索できることや情報管理も楽になることから、仕事の業務効率が向上します。申請業務を対面で実施することもなく、業務時間も減って他の業務に時間をかけられるようになります。また、あらゆるデータが一元化されることで社内の情報に各部署がアクセスしやすくなります。例えば、その効果としてマーケティングの部署が商品の最新の販売計画の情報をすぐ確認可能になり、より売上にコミットしたマーケティング活動ができるようになるでしょう。

データ保全

紙業務を削減することで過去に毎日消費していた用紙や印刷のコストが削減されます。 毎月数千、数万もの印刷をしている会社ではその費用も大きいでしょう。ペーパーレス化にあたってシステム導入コストはありますが、長い目で見れば削減できるランニングコストも大きくなります。また、今まで紙承認のフローを回すことや紙の文書を管理するためにかかっていた時間を削減することができ、人件費の削減にもつながります。

リスクヘッジになる

今では電子データのセキュリティは紙よりも強固であるともいえます。 紙であれば物理的な紛失の恐れはどうやってもなくならない点は情報漏えいの観点でもリスクが大きいですが情報をデータ化してアクセスの制限をしておくことでその心配がありません。また、自然災害の多い日本ではいつ災害が起きるか分かりません。電子データをクラウド上に管理しておけば緊急時にも重要なデータを無くすことはありません。BCP(Business Continuity Plannin、事業継続計画)の観点でも電子化は効果があると言えます。

自社に合ったツール選択を

ペーパーレス化による企業のメリットはお分かりいただけたかと思いますが、このような取り組みをいざ自社で始めようと思ってもなかなか難しいのが現状かと思います。
「SmartDB」では今まで多くの大企業のペーパーレス化を実現してきました。約50もの業務テンプレートや、多くの大企業の事例・ノウハウを持ち合わせた専門スタッフが丁寧にサポートいたします。また「SmartDB」はノーコード・ローコードで簡単に業務アプリケーションの作成が可能です。ドラッグ&ドロップなどのマウス操作で現場部門自らが業務デジタル化を実現できます。ぜひペーパーレス化に本気で取り組みたい企業さまはご相談ください。

参考:ペーパーレス化で働き方改革!業務効率化に与える効果を紹介
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プロモG 小坂

この記事の執筆者:小坂 (プロモーショングループ)

前職ではSPA企業に新卒で入社し、4年間ほど店長や本部での仕事を経験。
ドリーム・アーツ入社後はカスタマーサクセスを担当。2021年よりプロモーショングループに加入。
現場業務のリアルを知ったうえで企業の業務デジタル化にとって大切なこととは何かを考え発信していきたいと思います。