ペーパーレス会議とは?メリット・デメリット、開催時のポイントをご紹介

テレワークの導入などで、ペーパーレス会議を検討する企業が増えています。 今回はペーパーレス会議のメリット・デメリットと開催時に意識するべきポイントについてご紹介します。自社でペーパーレス会議をはじめる時のヒントになる記事となっていますのでぜひご覧ください。

ペーパーレス会議とは

配布資料などを紙に印刷することなく、電子データを共有して会議を実施することをペーパーレス会議といいます。会議資料はタブレットやパソコンで共有し、実際の会議はそれらをプロジェクターや大型ディスプレイに投影して進行します。コロナ渦の影響ですでにペーパーレス会議を導入している企業では、テレビ会議やWeb会議も多く採用されています。

ペーパーレス会議のメリット

ペーパーレス会議を実施することで、さまざまな効果が期待できます。

印刷代などのコスト削減

ペーパーレス化したことで、最も効果がわかりやすいのが印刷代・紙代・保管代などのコスト削減です。
ひとつの会議に掛かる印刷費用はわずかな金額かもしれません。しかし、全社で年間を通した印刷代となれば高額になります。また、大規模な会議では、各部署から提出された資料を事務局がとりまとめて印刷を行います。印刷後に差し替え依頼が発生すると、すでに印刷した資料が無駄になり、再印刷の手間と印刷費用で全体に掛かるコストがさらに膨らみます。

これらの印刷代・紙代のコスト削減がペーパーレス化により可能になります。また、会議後に資料をファイリングして保管する場所が不要なため、省スペース化や保管コストの削減にもつながります。

会議のリモート化にも対応

リモートでの会議実施も可能になります。紙を使う会議ではその場での資料配付が必要になるため、リモート会議の実施を妨げる要因になっていました。しかし、会議をペーパーレス化すればその必要がなくなり、別拠点や在宅ワークをしている社員との会議が可能です。これは、テレワークを導入する企業にとって最も大きなメリットとなるでしょう。

情報漏洩リスクの低減

ペーパーレス会議は情報漏洩などのセキュリティリスクの低減につながります。紙の資料の場合は、印刷した部数や配布先を追跡することもできなければ、紛失に気付かない場合もあります。ペーパーレス化することで、アクセス制限や閲覧期間の管理、ログによる追跡ができ、セキュリティ面の安全性向上にも貢献します。

ペーパーレス会議のデメリット

しかし、ペーパーレス会議にはメリットがある一方で次のようなデメリットもあります。

一覧性の観点では紙に劣る

紙の資料であれば、複数の資料を並べて比較しながらの確認ができますが、ペーパーレス化した場合、デバイスの画面範囲内でしか閲覧できなくなるので、資料の内容によっては一覧性がなく不便さを感じる場合があります。

メモしにくい場合がある

紙資料であれば資料への赤入れや会議中のメモ書きなどが簡単にできていましたが、電子データで共有された場合、資料上にメモを取るには専用の端末やタッチペンなどが必要になります。
また、メモができる端末を導入したとしても、端末の性能によってきれいに文字が書けなかったり、書き心地が悪かったりと「手書きしにくい」ことがストレスになり得ます。

しかしながら最近では、ペン操作に優れたタブレット端末が多く登場していることに加え、各種ドキュメントサービスでコメント機能も充実しているため、どのようにメモを取るか次第でこのデメリットは解消できるでしょう。

一定のITリテラシーが必要

ペーパーレス会議の専用システムを導入した場合、ツールによっては社員のITリテラシーと乖離が発生し、使いこなせない場合があります。資料のアップロード方法やメモの入れ方が難しく、都度問い合わせが発生して会議の進行が止まってしまっては本末転倒です。社員のITリテラシーについて現状を把握し、自社にあったツールの導入や、ITリテラシー向上のための研修などの検討も必要です。

ペーパーレス会議のポイント

ペーパーレス会議を導入する場合には以下のポイントが重要です。

段階的に導入する

最初からすべてをペーパーレス化した場合、次のような事態が発生する可能性があるため、段階的な導入をオススメします。

  • 運用ルールが複雑になる。またルール作成に時間がかかり、ペーパーレス会議の導入自体が進まない
  • 会議参加者から反発が出る

A4で印刷していた資料はタブレットで閲覧し、A3の図面などは印刷して従来どおり紙で閲覧するなど、はじめは部分的にペーパーレス化を採用し、その後参加者がペーパーレス化に徐々に慣れ、紙の会議が煩雑に感じるようになったタイミングでペーパーレス化の対象範囲の拡大することを検討しましょう。

会議の進行をシミュレーションする

発表者がペーパーレス会議に慣れていないと、資料の投影だけでも手間取ることがあります。進行の不手際で会議が長引くようなことがあれば、せっかくのペーパーレス化も効果が薄くなってしまうため、会議の進行を事前シミュレーションし、全員が会議に集中できる環境を整えることが大切です。

発表者の交代のタイミングを想定し、発表者がスムーズに資料を出せるか、事前に確認しておきましょう。特にはじめてのツールを使うときは、会議時間の超過や会議自体の中止を防ぐためにも事前テストは必須です。

メモを取る方法を見直す

配布する媒体が変わるので、メモを取る方法の見直しも必要です。
メモしやすい端末を導入するのもひとつの手段ですが、全員への配布はコスト的にも現実的ではありません。以下のような新しいメモの取り方を検討し、会議の種類や社内文化に合わせて最適な方法をとり入れましょう。

  • 各種ドキュメントのコメント機能を活用
  • スクリーンショットの活用(画像に書き込み、テキスト入力)

まとめ

いかがでいたか?
ペーパーレス会議のデメリットに対する不安は、ポイントを抑えて対策すれば、解消できることばかりです。ペーパーレス会議の導入によるコスト削減や情報漏洩のリスク回避は、非常に大きなメリットといえます。本記事がペーパーレス会議をはじめるときの参考になれば嬉しいです。

ほかにも会議の運営準備を効率化する方法もご紹介しています。
社内会議の効率化を検討されている方は、ぜひあわせて参考にしてください。

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この記事の執筆者:冨田(マーケティンググループ)

2013年新卒入社。文系出身でプログラミング未経験者ですが、過去にさまざまな業務・業種・立場の方のお客さまの電子化/デジタル化を支援いたしました。その経験を通じてSmartDB(スマートデービー)があらゆる企業の業務の効率化に貢献できると感じています。ITスキルがない人でも「自分たちの業務も自分たちで電子化/デジタル化できる!」ということを実感してもらえるよう、いろいろ検討中です。“自分たち”で“自分たちの業務”の業務で利用するシステムを改善できる楽しみをお伝えしていきます。