2021年11月25日(木)、Sansan Eight主催のオンラインイベント「DX CAMP 2021 zero+」が開催されました。DX CAMPは、日本を代表する企業・部門のリーダーたちが、DX(デジタルトランスフォーメーション)の本質や実現に至るノウハウを短期集中で学び、真のDXリーダーへと成長する場です。
このDX CAMPにてドリーム・アーツ 執行役員 協創パートナー推進本部 本部長の増本が登壇し、「『デジタルの民主化』DXに立ち向かう組織の絶対条件」について講演しました(講演概要はこちら)。今回はその様子を少しだけご紹介します。
DX実現に必要な3つのポイント
DXの取り組みにおいて、ドリーム・アーツは下記の3点が重要であると考えています。
「①自社プロダクト/サービスのデジタル化」と「②ビジネスモデルのアップデート」は何が正解となるかわからないVUCA時代のなか、1勝9敗のつもりでトライアル&エラーといったチャレンジが必要な領域です。しかし、①と②のチャレンジが成功し、ビジネスがヒットしても、「③業務プロセスのデジタル化」をおこなわなければ、オペレーションがついていかず、顧客ファーストなプロダクト/サービスに磨きをかけることができません。結果として、競合他社に追いつき・追い越されてしまう可能性があります。
そのため、DX推進においてスピーディーな「③業務プロセスのデジタル化」は軽視できない同時に取り組むべき課題です。ドリーム・アーツは③の領域で、「SmartDB」というノーコードの開発基盤を通してDX実現に貢献できると考えております。また、DXに立ち向かう組織づくりにも貢献できると考えております。
DX人材の不足
継続したチャレンジが必要なDXの取り組みですが、1つ大きな課題を直面しています。それはDXに必要な人材が不足していることです。ドリーム・アーツでは、DXの実現には、デジタルリテラシーと変革マインドを兼ね備えた人材が必要だと考えています。
出典(左):IT人材白書2017 デジタル大変革時代、本番へ|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
出典(右):DX白書2021 日米比較調査にみるDXの戦略、人材、技術|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
しかし、2025年の崖として、経産省からは日本の深刻なIT人材不足が発表されています。また、IPAが発表しているIT人材白書でも、日本のIT人材が米国に比べてIT企業に集中していること、米国に比べて日本の多くの企業では変革人材が不足していることが述べられています。
これまでの日本では、外部ベンダーに依頼して不足するIT人材を補う場合が多くありました。
外部ベンダーへの依存で発生する弊害と解決策
社内のデジタル活用を外部ベンダーに依存した場合、以下のような弊害が発生します。
社内のIT分野をすべて外部ベンダーに依頼する場合、あらゆる業務のデジタル活用において業務内容の説明や要件定義が必要となり、高度IT領域以外にも膨大なコストが掛かります。また、業務に詳しくないエンジニアが開発するため業務運用に足るまでに度重なる調整が発生し、対応スピードが遅くなりがちです。外部ベンダーのリソースが確保できるかにも影響を受け、迅速な対応ができない場合もあります。さらには、社員がデジタル化の経験から成長する機会を逃してしまうことになります。
その結果、外部ベンダーに依存したデジタル活用を進める大企業では以下のような分断が生まれているとドリーム・アーツは考えます。
組織内には、DXを推進したいと思う“変革マインド”を持つ人とDX実現に必要な“デジタル・リテラシー”を持つ人がバラバラに存在してしまいます。企業のトップは新しい価値を提供したいと思い、現場部門では特定領域でのビジネスチャンスを肌で感じています。変革マインドを持っている反面で、デジタル・リテラシーがなくデジタルを活用した実現方法にたどり着くことができません。その一方で、情報システム部門ではデジタルを活用したテクノロジーの将来性を感じてPoCなど進めつつも、自社でデジタルを活用して変革するべきビジネス領域に関する観点が不足しがちです。そのためデジタル・リテラシーを社内の変革に有効活用しづらい状況が発生します。
このように、社内のデジタル活用を外部ベンダーに依存しすることで発生する“縦割り組織の壁”により、新しい連携が起きにくくなってしまいます。DXを実現しようと考えても、なかなか進まない状況になります。
DXに立ち向かう組織とは
DXに立ち向かうためには、この“縦割り組織の壁”を乗り越えなくてはいけません。変革マインドとデジタル・リテラシーを兼ね備えている社員がたくさんいて、部門を超えた横連携ができる状態が理想的です。現場部門のちょっとした業務にも、情報システム部門が支援する状態であれば、縦割りを越えた水平的な連携が自然と発生していくと考えております。
そのような理想的な組織を実現するために、ドリーム・アーツは「デジタルの民主化」を提唱しています。
DXに立ち向かう組織をつくる「デジタルの民主化」とは
「デジタルの民主化」とは、最も業務に精通している現場部門(非IT部門)の人材が自らITを活用するという考え方です。「自分もデジタルで業務を変革できる」と思うメンバーが1人・2人と増え、全社に広がっていけば、変革を担える人材・活気が育ち、DXを支えるカルチャーになっていきます。
「デジタルの民主化」の取り組みを通して、現場の横断的な業務を、現場部門自らがデジタル化することにより、変革マインドの共有や、デジタル・リテラシーの普及がされます。DXに立ち向かうために不可欠な水平的に意識が共有された組織の実現ができます。
大企業向け業務デジタル化クラウド「SmartDB」は、現場個別の業務から全社共通業務まで、 ノーコード・ローコードでだれもがクイックにデジタル化できます。 複雑な業務プロセスに対応するワークフロー機能、データ蓄積はもちろんダイナミックで緻密なビュー制御をもつWebデータベース機能を備え、⼤企業に必要なきめ細やかな権限設定や⾼度なセキュリティ要件にも対応しています。現場の方でも自ら業務プロセスのデジタル化が可能なので、「脱・外部ベンダーへの依存」「デジタルの民主化」を実現でき、上記の図のとおり、旧来型の業務デジタル化と比較して大きな効果を得られます。特にデジタルの民主化により、①現場部門でITツールが自分たちの成長ドライバーと認識される点②現場部門含む社内でのデジタル活用の成功体験が増えて業務改善意識が能動的になる点は、DXに立ち向かう組織の形成に大きく貢献します。
3分でわかる「SmartDB」
大企業における業務デジタル化の課題と、その解決策として「SmartDB」で、どのように業務デジタル化を実現できるのかをご紹介する資料を公開しました。ぜひご覧ください。
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成功事例に学ぶ、「デジタルの民主化」を実現できるリーダーの特徴とは
DXに立ち向かう組織をつくるために必要な「デジタルの民主化」について、講演では以下の内容をご紹介しました。
- 「デジタルの民主化」成功事例(大和ハウス工業さま、三菱オートリースさま)
- 成功事例から読み解く「“デジタルの民主化”に必要な情報システム部門の在り方」とは
- 成功事例から読み解く「“デジタルの民主化”に成功するリーダーの特徴」とは
下記のオススメ資料も合わせてご参考ください。
大企業の“ヤバい”DX/デジタル化の実態
大企業の“ヤバい”ITベンダー依存の実態
この記事の執筆者:楊 溢(マーケティング本部)
新卒でドリーム・アーツに入社。
2021年からマーケティンググループの一員になりました。
記事執筆は初心者ですが、より皆様のお役に立てる情報を発信していきたいと思います!