業務効率化を図る目標設定の例と目標を達成するためのポイント

業務効率化を進めるうえで大切となるのが、目標設定です。しかしどのような目標設定を行い、どのような対策をとればよいのか、迷う企業が多いのも事実です。本記事では、業務効率化における目標設定の重要性や具体的な目標例、また目標達成に向けて取るべき対策についてくわしく解説します。

業務効率化のためには目標設定が不可欠

業務効率化は、近年企業に浸透してきた考え方のひとつです。業務における「無理・無駄・ムラ」を排除して、業務の効率化を目指します。業務を効率化することで、仕事の生産性が上がり、より大きな成果を期待できます。少子高齢化によって人材リソースが限られるという社会的背景から、より少ないリソースで大きな成果を出す手段として注目が集まっているのです。

しかし、ただ闇雲に業務効率化を目指して動いても、達成できることは少ないでしょう。業務効率化を進める前には、目標設定をしっかりおこなう必要があります。
その大きな理由は以下の3点です。

評価をするため
業務効率化に限らず、仕事において目標設定をしなければ、理想を達成しているのかどうか、達成したうえで本当に効果が出ているのかどうかが評価できません。目標設定をせずにいきなり取り組んでも、中途半端なまま終了してしまうことが多いでしょう。まずはどこまで業務効率化を目指すのか、それによってなにを達成したいのかを明らかにすることが大切です。
モチベーションをキープするため
目標がなければ、だんだんと業務改善に取り組むのが面倒になり、脱落する社員も出てくるでしょう。企業が主体となって取り組んでも、社員が動かなければ業務効率化は成功しません。しかし明確なゴールがあれば、それを見据えて社員のモチベーションを維持できます。
足並みを揃えるため
目標設定をしなければ、会社全体の方向性が一致せず、せっかく全員が効率化を目指して動いていてもうまく進められないばかりか、かえって回り道となってしまうこともあるでしょう。明確な目標を設定し、社内で共有することで方向性の不一致を防げます。社内全員が一丸となって業務効率化をおこなうことが、成功への近道です。

このように、業務効率化をおこなう前には目標設定をすることが大切です。
目標を設定するときは、「なにを・どうやって・いつまでに」という3つのポイントはかならず押さえましょう。

業務効率化のために設定すべき目標

いざ、業務効率化の目標を設定しようと思っても、具体的にどのような目標を定めるべきか、わからない方も多いのではないでしょうか。目標には、業務効率化の目的に紐づくKPIを設定することが大切です。
KPIとは、重要業績評価指標の略称で、単なる目標ではなく、目標の達成度合いを評価する評価指標のことをいいます。ここでは、上記を踏まえた小売業の目標例を紹介します。

売上や利益に関する指標

売上や利益に関するKPI設計で大切なことは、データに基づいた指標を立てることです。また、指標が多すぎると評価が煩雑になるため、多くても5つほどに設定しましょう。具体例は以下のとおりです。

  • 粗利率
  • 営業利益率
  • 人件費
  • 来店客数
  • 人件費率


これらの数値目標を前年度の結果などを元に算出します。とくに小売業では、時期によって来店客数にバラつきが見られるのが特徴です。目標を立て、時期に合った施策を展開するとよいでしょう。

オペレーションや労務に関する指標

業務効率化を達成するためには、オペレーションや労務に関する指標も重要です。とくに労務に関しては、きちんと数字を示しておくことで残業時間の減少などが見込めます。具体的な指標としては以下が挙げられます。

  • タスクごとの作業時間
  • 残業時間
  • 離職率


小売業は、全業種のなかでも生産性が低いとされています。競争環境が激しいなかでも、社員にとっての負担が減るように、業務を効率化して生産性をアップさせましょう。ただ業務を効率化しようとするよりも、残業時間を減らすといった目的が明確である方が、社員も前向きに取り組みやすくなります。企業目線だけでなく、社員目線でもメリットを感じられるような目標作りが大切です。

設定した目標を達成するための方法

目標が設定できたら、実際に業務効率化に取り組む段階です。ここでは、業務効率化を進めるための方法をいくつか紹介します。

1.自動化

業務の効率化において、まず考えたいのが業務の自動化です。日々の業務を振り返ったとき、毎日同じ作業をしていませんか?データの打ち込み作業や計算などが定型作業の代表例です。これらの業務に時間を割いているなら、自動化して仕事の量を減らしましょう。毎月数十時間もの労働力の削減になるはずです。

具体的な自動化方法としては、RPAツールやVBAの導入が挙げられます。RPAとは、Robotic Process Automationの略称で、定型作業を代行するロボットのことです。VBAはVisual Basic for Applicationsの略称で、Microsoft Office(Word、Excelなど)に簡易的なプログラムを記述して自動化させる拡張機能を指します。

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2.業務効率化ツールの導入

業務効率化を進めるために、今ではさまざまなツールが提供されています。これらのツールを導入するのも、効率化の手助けとなるでしょう。たとえば、わざわざ席を立たなくても社内でコミュニケーションが取れる「チャットツール」や、情報を一元的に管理できる「データベースツール」などがあります。

ツールの導入には初期費用やランニングコストがかかりますが、残業時間の減少や社員のモチベーション向上など、それ以上のメリットが得られる可能性もあります。導入を検討する際には、長期的に見た効果を確認するようにしましょう。

また、多くのパソコンに基本機能として備わっている機能を活用するのもおすすめです。「メモ機能」なら、文章をパソコン上で保管でき、検索も容易になります。「スクリーンショット機能」を活用すれば、文章だけでは伝わりづらい説明も、簡単に伝えられます。

3.ペーパーレス化

ペーパーレス化とは、従来紙の書類を使って作成していた契約書や社内書類を、電子文書へと移行することです。ペーパーレス化をおこなうと、紙代や印刷代の削減ができ、管理も簡単になります。

また、どこからでも書類の申請や確認、承認などができるため、時間や場所を問わず業務ができるのもメリットのひとつです。業務効率化に大いに役立つでしょう。

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4.スタッフ研修の見直し

スタッフに対する研修内容を見直すと、研修後の業務の捗り具合や、スタッフの意識改革につながります。とくに大勢のスタッフに対する研修なら、大規模な業務改善を図ることができるでしょう。また研修内容だけでなく、業務マニュアルを整備することも業務効率化につながります。

業務効率化を進めるための方法はいろいろありますが、簡単かつ迅速に効率化を目指すには、ITツールの導入がおすすめです。どのITツールを導入するか迷っているなら、ぜひ「SmartDB®」をお試しください。

「SmartDB」は、Web上の高度なワークフローと高性能なデータベースシステムを担うクラウドシステムです。最大の特徴は、ただ業務を電子化するのではなく、業務の流れそのものから電子化すること。つまり、業務の効率化に多いに役立てられます。また、複雑な業務フローにも対応でき、営業などのフロント業務から人事や総務などのバックオフィス業務まで幅広い業務に利用できるのもメリットのひとつです。社内の業務効率化を支えるプラットフォームとして利用できます。

目標設定の例と目標を「どうやって」達成するか、いくつか方法をご紹介しましたが、スピード重視で目標達成を目指すなら、ITツールの導入をご検討してみはいかがでしょうか。