電子帳簿保存法改正に向けたSmartDB活用法ご紹介・ご相談会

2021年11月16日、セイコーソリューションズ株式会社とドリーム・アーツ共催で「電子帳簿保存法改正にもバッチリ!SmartDB活用法ご紹介&ご相談会」セミナーを開催しました。

2022年1月1日、電子帳簿保存法が改正されたことをご存じでしょうか。従来、電子データで取引した場合、紙に印刷してその紙を保存しておくことが認められていましたが、2022年1月1日の電子帳簿保存法の改正ではそれが廃止され、電子取引したものは電子データのまま保存が必要になりました。各社企業は今後の保管方法について対応を急がれていると思います。

今回のセミナーでは、セイコーソリューションズ株式会社より電子帳簿保存法改正内容と背景をご紹介し、ドリーム・アーツからは電子帳簿保存法対応での「SmartDB」の対応できる範囲と具体的な実現イメージに関してご紹介しています。
電子帳簿保存法に対応するため、業務デジタル化を検討している方はぜひご覧ください。

講演1:電子帳簿保存法について セイコーソリューションズ株式会社 デジタルトランスフォーメーションサービス企画統括部 統括部長 中嶋 勝治氏

電子帳簿保存法改正の背景や内容についてお話いただきました。セイコーソリューションズ株式会社は、時計を作っているセイコー株式会社のIT関連の事業会社です。一般財団法人 日本データ通信協会で認定を取得したタイムスタンプサービスを15年近く提供しています。このサービスを使って、電子帳簿保存法、電子契約などのサービスに提供をおこなっています。

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電子帳簿保存法、改正背景について

電子帳簿保存法とは?

国税に関する法律で原則紙での保存が義務付けられている国税関係帳簿書類について、一定の要件を満たした上で電子データによる保存を可能することおよび電子的に授受した取引情報などの保存義務を定めた法律です。

改正背景について

経済社会のデジタル化の流れを踏まえ、電子帳簿保存法は見直し、改正を繰り返しています。2022年1月の改正では、経理の電子化による生産性の向上、記帳水準の向上を目的として2021年度の税制改革において帳簿書類を電子データ保存する際の手続きなどについて見直しがおこなわれました。

国税関係書類の電子保存法は受領方式が「スキャナ保存」「電子取引」の2種類あり、それぞれ求められる要件が異なります。それぞれの主な改正事項についてご説明いただきました。

主な改正事項(スキャナ保存)

2022年1月、スキャナ保存におけるほとんどの要件については緩和されます。緩和の代わりに電子データの改ざん防止に向け、より一層正しい運用を促すために罰則規定が強化されました。正しく運用がされていなかった場合は、重加算税の加重が課されることになります。

従来スキャナ保存をおこなう場合は事前に税務署への申請と承認が必要でしたが、2022年1月1日以降はその申請制度が廃止されるため、随時スキャナ保存を始めることができます。

主な改正事項(スキャナ保存)

※セイコーソリューションズ株式会社が配布する資料の抜粋です。資料をお求めの方はこちらよりダウンロードください。

主な改正事項(電子取引)

2022年1月、スキャナ保存と同様に、ほとんどの要件については緩和されます。重要な改正ポイントは「保存措置の廃止」です。従来は電子データで取引した場合、紙に印刷してその紙を保存しておくことが認められていましたが、2022年1月1日以降はそれが廃止され、電子取引したものは電子データのまま保存しておかなければなりません。保存措置の廃止により、これまで紙で運用していた場合はデジタル化の対応が必要となります。

また、スキャナ保存と同様、緩和の代わりに電子データの改ざん防止に向け、より一層正しい運用を促すために罰則規定の強化がされています。

主な改正事項(電子取引)

※セイコーソリューションズ株式会社が配布する資料の抜粋です。資料をお求めの方はこちらよりダウンロードください。

また、複合機FAX機能を用いてデータを送受信した場合は、電子保存の対象となり、紙での保管が認められません。そのほかどういったものが電子取引の対象になるかは、国税庁のサイトに掲載しておりますので参考にしてください。

国税庁のサイトより「電子帳簿保存法一問一答」の問4を参照ください

電子保存の考え方

電子データの保管方法は、保管方法に応じて「個別保管方式」と「一元保管方式」の2種類に分類されます。国税関連法では年間、欠損金がある場合は10年間分 の保存義務期間があります。長期間、アカウントをきちんと維持し、常時閲覧できるようにしておくことが必要になります。「SmartDB」で電子帳簿保存法の対応を進める場合には、「一括保管方式」での実現となります。

電子保存の考え方

※セイコーソリューションズ株式会社が配布する資料の抜粋です。

講演2:「SmartDB」による電子帳簿保存対応について 株式会社ドリーム・アーツ マーケティング本部マーケティンググループ 藤田 駿

ドリーム・アーツからは「SmartDB」で電子帳簿保存法に対応する範囲や実現イメージについてお話ししました。

電子帳簿保存法における「SmartDB」の対応範囲

「SmartDB」は電子帳簿保存の「電子取引」に利用可能となります。

本セミナーでの紹介範囲

※「電子帳簿保存法」記載部分についてはセイコーソリューションズ株式会社が配布する資料の抜粋です。資料をお求めの方はこちらよりダウンロードください。


電子取引における電磁的記録の保存をおこなう場合、次のように要件を満たすことが可能です。

  • タイムスタンプの付与はセイコーソリューションズ株式会社が提供するタイムスタンプ機能を利用したオプションをご利用いただくことで対応可能
  • 検索機能の確保については標準機能で対応しており、あらゆる項目を検索項目として簡単に指定が可能

宥恕ゆうじょ期間について
本内容は2021年11月16日におこなわれたセミナーのものです。
本セミナー実施後、令和4年度税制改正にて2年間の宥恕ゆうじょ措置が発表されております。 令和5年12月31日までの間におこなわれた電子取引データは、やむを得ない事情がある場合には引き続きその出力書面による保存が可能となっております。 詳しくは国税庁のサイトをご確認ください。

国税庁のサイトより「電子帳簿保存法一問一答」の問41‐2を参照ください

電子取引パータンと対応方法サマリ

「主な要件」の2、3について

  • 2. 訂正・削除の事実及び内容を確認できる又は訂正・削除をおこなうことができないシステムの利用
  • 3. 電子取引データの訂正及び削除の防止に関する事務処理規定と運用

訂正削除履歴なども残す運用も可能ですが、タイムスタンプを付与している場合は必須要件ではありません。なお、削除履歴を残す場合は「SmartDB」の文書削除機能の利用はせず、「削除」ステータスとして管理するような運用をお勧めします。

「SmartDB」での実現イメージ

「SmartDB」はノーコード・ローコードのため、ITの知識を持たない現場メンバーでも簡単にアプリケーションを開発することができるサービスです。今回は、請求書の文書管理をおこなう業務アプリを例に実現イメージを紹介しました。「請求書の受理」→「タイムスタンプ付与」→「文書保管」までの流れになります。

実現イメージ紹介例

「SmartDB」のタイムスタンプオプションは任意のタイミングで付与をすることが可能です。

タイムスタンプ付与イメージ

「SmartDB」を利用するメリット

電子帳簿保存法の対応において、主にこれらのメリットを紹介しました。

・対応業務の幅広さ

部署や取引先によって書類を受け取るサービスが異なると、毎回作業オペレーションが変わり作業負荷に影響がでてくる可能性があります。また、ひとつのサービスに統一しようと考えた場合、特定の業務に特化したサービスのため、対応できない業務範囲がでてくるといった壁にもぶつかります。「SmartDB」は幅広い業務のデジタル化に対応しているため、特定の業務に縛られることなく、さまざまな範囲でご利用いただけます。そのため、書類ごとに業務オペレーションを変えることなく運用することが可能です。

対応業務の幅広さ
・構築・運用負担の軽減

すでに「SmartDB」をご利用の場合、抜本的に「SmartDB」の各バインダやワークフローを改修する必要がありません。お客さまによっては、電子帳簿保存法に対応するため、新しいサービスの導入を検討されている方もいらっしゃると思います。新しいサービスを導入することで、開発・構築や運用ルールの策定など、さらに負担が増える可能性があります。「SmartDB」では前述でお伝えしたとおり、タイムスタンプオプションの導入や、検索項目の追加などで電子帳簿保存法に対応することが可能です。

構築・運用負担の軽減
・幅広いシステムとの連携

「SmartDB」は「電子印鑑GMOサイン」や「クラウドサイン」「DocuSign」「Adobe Sign」など各種電子契約システムと連携できます。たとえば「SmartDB」で承認された請求書がクラウドサインを利用して、取引先に送付されるという連携も可能です。電子契約と「SmartDB」をあわせて使用することで、契約業務において必要な社内の申請・承認から、電子署名・署名済み契約書の管理まで、すべてがシームレスにつながり、デジタル上での一元管理が可能となります。

【参考】「SmartDB」と外部システムの連携事例を紹介
外部システム連携

まとめ

電子帳簿保存法の改正により、業務のデジタル化を急がれている方は多いと思います。「SmartDB」は電子帳簿保存法の対応だけでなく、そのほか幅広い業務のデジタル化をお手伝いすることができるツールです。「SmartDB」でどのように業務デジタル化をおこなうのか、「SmartDB」で業務デジタル化をおこなうメリットについて詳細はこちらをご覧ください。

また、「SmartDB」は自由自在にフォーム設計や、所属部署などで閲覧・編集可否が緻密なコントロールが可能なため、電子帳簿保存法の要件を満たすためにはしっかりと運用設計を含めた検討が必要です。

株式会社PLANTでは、電子帳簿保存法改正に対応するため、情報システム部門が主導し「SmartDB」で業務デジタル化に取り組んでいます。詳しい内容については、こちらをご覧ください。

【プレスリリース】株式会社PLANT、「SmartDB」導入で200業務のデジタル化へ
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マーケティンググループ えもり

この記事の執筆者:えもり (マーケティンググループ)

社内業務での利用やお客様導入などでバインダやプロセスの開発を経験。
お客様向けにSmartDBのハンズオン講師も実施したことがあります。
ブログを通してSmartDBの良さを伝えられればと思います!