トヨタ式「カイゼン」とは?5S活動、3M削減など企業の成長を促す取り組み事例

働き方改革の推進や、少子高齢化による労働人手不足などにより、業務改善はどのような企業に対しても欠かせない取り組みとなっています。
今回のブログでは、日本式の業務改善を代表するトヨタが提唱した「カイゼン」の概念と重要性についてお話しします。ぜひご覧ください!

企業活動において不可欠な業務改善

業務改善は、企業活動において欠かせない取り組みです。昨今では、人口減少による労働力不足や働き方改革の影響もあり、業務改善の重要性は一層高まっています。
まずは、業務改善の意味を定義していきます。
業務改善とは「経営計画の目標達成に向けて、業務プロセスを最適にすること」、あるいは「特定の業務・作業を改善することで効率性を上げること」です。業務改善と聞くと、業務コンサルタントが業務分析をして、改善点を洗い出して…という大掛かりな取り組みとなるイメージを持つ方も多いかもしれませんが、業務改善は必ずしもハードルが高いモノとは限りません。例えば日常業務において、現場担当者が取り組んだ小さな改善であっても最終的に“経営効率化”に結びつけば、それは業務改善なのです。
ITものづくり大国と呼ばれた日本では、トヨタやパナソニックなど世界的なブランドを生み出しました。世界的な製造業の成長を支えるカギの1つとしては現場における業務改善活動です。また、近年デジタル化や働き方改革の推進にともない、業務改善の重要性はより多くの企業に認識されています。業務改善の意識が社員たちに浸透していますし、業務改善を実施したノウハウも社内に蓄積されています。
その中でも、日本企業においての業務改善といえば、トヨタの「カイゼン」は一番代表的な理論といっても過言ではありません。

トヨタ式「カイゼン」とは

カイゼンの概念

カイゼンとは、主に製造業の現場でおこなわれる、業務を見直して今よりも良くしていくための活動のことです。作業や業務の中にあるムダを排除し、より価値が高いものだけをおこなえるように、作業や業務のやり方を変える活動をおこなうことを指します。特にトヨタ式カイゼン活動は、世界的にも有名です。
では、なぜ「改善」ではなく「カイゼン」なのでしょうか?
漢字の「改善」という言葉では、「悪い部分を良くする」という意味があります。それに対して、トヨタではカタカナの「カイゼン」に「現状を満足せず、今よりもっと良くする」という意味を持たせています。つまり、カタカナの「カイゼン」では自ら課題を認識し、自ら対策を考え、改善していくというのがポイントなのです!
カイゼンは日本国内だけではなく、「KAIZEN」として世界的にも活用されています。「改善」を意味する「improvement」という英単語では日本式のカイゼンの意味を十分に表すことが出来ないため、日本語がそのまま英語になっているのです。

あらゆる分野・業種で取り組まれているカイゼン

カイゼンはもともと製造業の現場の取り組みを指していますが、今は製造業のほか、多様な業種・業界で活用されています。近年では、物流、建設業、サービス業、小売業など、さまざまな領域にカイゼンに関する取り組みは広がっています。
例えば、イトーヨーカ堂さまはトヨタ式カイゼンを売場運営に適用し、店舗倉庫(バックヤード)の整理整頓や総菜の販売方式変更などをおこないました。それによって、店舗の効率を大幅にアップすることができました。
カイゼンはもはや仕事において共通言語のような存在になっています。仕事においてはどんな業種、どんな業界でも、カイゼンという意識を持って取り組むことが求められます。日々の業務において常に課題意識を持ち、是正したり改善したりしながら仕事をおこなうことが大切です。
つづいて、なぜカイゼンが大事なのか?カイゼン活動によってどのような効果が出るのか?についてお話したいと思います。

カイゼンとともに取り組むべき活動

現在、カイゼン活動は多様な業界で取り組まれています。企業が積極的にカイゼン活動を推進する理由を以下の3点からお話しします。

  1. 3Mの削減
  2. 5S活動の促進
  3. ボトムアップ式で現場主体

①3Mの削減

3Mとはムリ・ムダ・ムラのことを指します。まずはそれぞれの概念を説明します。
ムリとは能力以上のことをして、負担が大きくなることです。
ムダとは、付加価値を生まない作業のことを言います。有名なものにはトヨタが提唱した「7つのムダ」があります。
ムラとは、仕事の品質が一定ではないという状態のことです。たとえば、仕事量や材料・完成品の品質、作業手順などが一定でないことを指します。
昨今、テレワーク導入やフレックスタイム制度の普及など、ワークスタイルが大きく変化しています。かつてない仕事の仕方への変化にともない、チームの負担状況が見えず、特定の人や工程に負担が集中することで「ムリ」な仕事になってしまっていることもあるのではないでしょうか?また、日常業務の半分以上はルーチンワークだといわれます。自分が慣れた仕事だからこそ、ムダは生じやすいとされています。なぜならば、慣れた仕事に対しては、課題意識が低下したり、改善を怠ったりするようになりがちだからです。さらに人によってやり方が違えば、品質のムラが生じます。このような「ムリ・ムダ・ムラ」は作業効率の低下の原因になります。
このような、日常業務にどうしても生じやすい「ムリ・ムダ・ムラ」を削減するために、カイゼン活動はとても重要です。「ムリ・ムダ・ムラ」をなくしていくことは業務負担の削減、スピードアップ、コストの低減、品質の安定・向上に大きな効果を発揮することができます。

②5S活動の促進

5Sはカイゼンと同じく、日本の製造業から生まれた概念です。5Sとは「整理Sorting」「整頓Setting-in-Order」「清掃Shining」「清潔Standardizing」「躾Sustaining the Discipline」の5つの頭文字を表します。それぞれの定義は下記のようにまとめています。仕事の効率化を追求するカイゼン活動において、5S活動の促進は重要な一環です。

  • 整理…必要なモノと不要モノとを分けて、不要なモノを処分すること
  • 整頓…必要なモノを誰でもすぐに取り出せるようにすること
  • 清掃…ゴミ・チリ・ホコリや汚れのないピカピカな状態を維持する活動
  • 清潔…整理・整頓・清掃の3Sの活動を標準化し維持できている状態
  • 躾……整理・整頓・清掃の3Sの活動が習慣化し、全員がしっかりルールが当たり前に守られている状態

5S

図1:5S構成図

職場の5S活動を徹底し、社内に定着させることによって、数多くの良い効果が得られます。例えば、徹底した在庫管理によって、在庫のムダがなくなり、コスト削減が見られます。また、業務の標準化によって、よりスムーズかつ正確に作業ができるという効果もあります。すると、製品・サービスの品質が高まり、お客様の満足度を上げることができます。
5S活動は製造業に関わらず、すべての職場に当てはまります。全社で5Sに取り組めば、「安全」「効率的」「快適」な職場づくりに大きな役割を果たしています。

③ボトムアップ式で現場主体

業務改善は大きく2つの方法に分けられます。それは「トップダウン式」と「ボトムアップ式」です。
トップダウン式とは、経営者やリーダー陣が業務改善へ積極的に取り組み、定めた対策を一般社員に落とし込んでいくという方法です。その一方、ボトムアップ式は現場主体で取り組む業務改善のことを指します。現場から提案したカイゼン内容に対して経営者やリーダー陣が検討し、有効性と妥当性を感じれば実施するという方法です。
トヨタ式カイゼン活動の特徴は、ボトムアップ式での問題解決です。経営陣の指示で動くのではなく、現場の社員は皆で知恵を出し合い、自ら作業効率の向上を図ってカイゼン活動を実施していきます。
つまり、単純な「指示待ち」の状態から「自ら動き出す」という状態に変革することが最も重要なポイントです。このような「現場主体」の方式は社員のモチベーション・当事者意識向上にもつながるとされています。
では、このような「現場主体」のカイゼン活動はどのように実現するでしょうか?次に、カイゼン活動を効果的に取り組むための社内制度についてお話しします。

カイゼン活動を効果的にするポイント

社員一人ひとりのカイゼン意識を醸成するために、社内制度の整備は不可欠です。今回は主に社内共有の仕組み化と表彰制度についてご紹介します。

社内共有の強化

カイゼン活動は1つのチームや部署にとどまらず、全社的に共有するのがとても大切です。例えば、各部署から提出したカイゼン活動報告書を全社向けにオンラインのシステム上で共有する仕組み「カイゼン活動コーナー」を設けた企業があります。ほかの部署はカイゼン実績をみて業務内容が全く同じでなくても、何か感想や気づき・ヒントを得られるのではないでしょうか。「うちのチームもこんな課題があるよね」、「うちの部署も同じようにカイゼンしたい!」などの思いを醸成できる場があれば、きっと全社の良い成果につながると思います。
また、先ほど話した通り、カイゼン活動は「ボトムアップ式」です。自発的な活動を継続的におこなうために、提案者のモチベーションUPは大切です。カイゼンに向けた取り組みについて情報交換・交流しながら、他者からのフィードバックや賞賛・アドバイスをもらうことで、カイゼン活動に取り組む原動力にもなります。
そのため、従業員のカイゼン意識を高めるためにカイゼン活動の事例を共有すること、つまり見えるようにすることは重要なのです。

人事評価への反映

そのほか、表彰など人事評価に反映できる仕組みを作ることも大事です。
具体的な例としては、カイゼン提案のコンテストを月1回、賞金を設けて実施する企業があります。最初は賞金目当てに頑張る人はもちろんいますが、続けるうちに本来のカイゼンの大切さが理解され、全社に浸透していきます。なぜならば、日々のカイゼン活動を続けることで業務効率が上がることを自ら実感できるからです。小さなカイゼンでも自分の業務効率に影響を与えることを感じられることで、継続的に自発的なカイゼン活動を続けることができます。
表彰制度は「終わり」ではなく、むしろ「始まり」です。社内でより良いカイゼンのスパイラルを育成するために、人事評価制度は有効な手段の1つとなります。

「カイゼン」自体の業務プロセスをデジタル化して更なる企業成長を目指す

カイゼン活動の情報共有、人事評価への効率的な仕組みを作るためにはデジタル化が必要です。現場からのボトムアップが肝となるカイゼン、現場が使いやすいようにブラッシュアップし続けることが重要です。また、時代やニーズに合わせて変動する業務プロセスに合わせて、カイゼン活動で必要となる仕組みもスピーディな変更反映が求められます。
これらに最適なソリューションが、入力フォームやWebデータベース、ワークフロー、コミュニケーションなどの機能を備えたSmartDBです。SmartDBであればカイゼン活動の報告や集計、評価・採点、報奨金の設定などをまとめてデジタル化できます。

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今回のブログは「カイゼン」についてお話ししました。カタカナのカイゼンといえば、製造業や生産現場のイメージが強いですが、実はどんな企業でも取り入れ、応用できる概念です。
では、カイゼン活動を効率的に進める方法はあるでしょうか?これについては次回のブログでお話したいと思います。また次回のブログをお楽しみにしてください!

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この記事の執筆者:楊 溢ヨウ イツ(プロモーショングループ)

新卒でドリーム・アーツに入社
2021年からプロモーショングループの一員になりました。
記事執筆は初心者ですが、おもしろい海外情報を発信していきたいと思います!