Notes移行はどのように進める?移行時の手順やポイント、注意点を解説!

使い勝手の良さや開発の容易さから多くの企業で導入が進んだNotes。しかし、2024年6月1日にはサポートを終了すると発表し、移行を検討する企業も増えてきています。本記事ではNotes利用における課題や移行に伴う手順やポイント、注意点などについて解説します。また、「移行先のシステムを検討しているが、どんなシステムが適しているか分からない」という方も多いのではないでしょうか。今回はNotesの移行先に「SmartDB」を選択するメリットも併せてお伝えします。

Notesの現状

Lotus社からのNotesの急速なシェア拡大

Notesは、1989年にLotus社から発売されたグループウェアの先駆け的存在です。タスク管理やスケジュール管理、ファイル共有など現在では当たり前となった情報共有機能を当時から備えていました。発売後は順調に販売数を伸ばし、1995年にIBMに買収されましたがその後ますますシェアを拡大。70%にまで拡大したとも言われています。

シェア拡大の要因のひとつは、容易に業務アプリケーションの開発が可能な点です。グループウェア機能と業務アプリケーションプラットフォームとの利便性が相まって業種や企業規模などを問わず、多くの企業で導入が進み、各社で多くの業務アプリケーション開発がおこなわれました。Notesは独自言語での開発となるため、シェア拡大に伴って導入企業や導入を提案するSIerなどは、Notes開発エンジニアを大量に育成するようになりました。

Notesが2024年6月1日でサポート終了を発表

その後、IBMからインドのHCL Technologiesへ売却されました。それに伴い、当時のバージョンVer9および10のサポート終了が決定。HCL社から最新バージョンがリリースされていますが、近年Notes特有のさまざまな課題が露見してきており、バージョンアップよりもシステム移行を検討する企業が増えつつあるのが現状です。

【Note移行事例】横浜ゴム 短期間で大規模「脱Notes」を成功させるプロジェクトの進め方

Notesを利用する企業が抱える課題

課題① DXを促進させる働き方の壁になる

近年、働き方改革の推進や新型コロナの影響により、場所や時間にとらわれない情報管理の方法が求められています。また事業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しようとする動きも盛んになってきています。

【DX事例10選】デジタルトランスフォーメーション推進のポイントやメリットを解説

DX推進の取り組みのひとつに、システム連携やテレワークの際のデータ基盤としてクラウドの活用が各企業で積極的に進んでいます。しかし、Notesはオンプレミス環境での利用を前提に開発されているため、そのままではクラウド移行ができません。クラウドに対応させるためには、追加開発やサードパーティーツールなどの利用が必要になり、コストおよび工数面で大きな負担となります。

課題② Notes技術者が不足

Notesでの開発は、独自のスクリプト言語を使っておこないます。このスクリプト言語によって容易に開発することができましたが、他の言語との互換性がないために、習得にはあらためて教育が必要です。Notes利用者が拡大していた時期は、各社でNotes技術者を育成していましたが、現在は積極的に取り組む企業は激減。また、多くのNotes技術者はすでに別の言語や環境での開発に携わっているために、同技術者は圧倒的に不足しています。さらに、技術者不足を補うために外注がおこなわれ、コスト増や対応スピードの面での課題も発生しています。

課題③ ブラックボックス化

Notesは手軽に自社業務に必要な各社各様の業務アプリケーションが開発できるため、これまで数多くのものが作成されてきました。必要なときに必要なアプリケーションを素早く立ち上げできるところがNotesの強みと言えますが、時が経つにつれてそれらが乱立することになります。また、各アプリケーションへの改修も頻繁におこなわれるようになりました。そして開発・運用に携わった担当者の異動により、徐々にアプリケーションがブラックボックス化。他システムへの移行や、業務の変更に合わせた改修が困難になってきました。

Notesの移行先は?

前述のとおり、Notesではグループウェア機能の他に、自社業務に特化したさまざまな独自開発の業務アプリケーションが搭載されているのが一般的です。従って移行先の候補は、Notes上で実際に稼働している各機能によって適切に判断する必要があります。

メールを含むグループウェア機能

Microsoft 365(旧Office 365)などのクラウドタイプのグループウェアが移行先候補となるでしょう。

専用アプリケーション

利用する機能によって考え方が少し異なります。たとえば文書管理やワークフローなどの比較的汎用性の高い機能には、それらの機能を有した専用アプリケーションが存在するので、コストや信頼性、機能性などの面から専用アプリケーションを選択するのが合理的と言えるでしょう。

自社業務に特化した独自性の高い業務アプリケーション

各業務に適したツールを探してその利用を検討するか、または新たにクラウド基盤上などで開発するかの選択になります。もちろん新たな開発となると相当のコストと時間が必要になります。

ポータル機能

グループウェアと業務アプリケーションを別々の製品に移行した場合には、社内ポータルサイトの検討も重要になります。社内ポータルサイトは、メールや個々の業務アプリケーションなどを1画面に集約・統合し、組織や個人の生産性向上を図ることができます。また、社員が毎朝最初にアクセスする業務の入り口、あるいは作業場所ともなるので、企業としてのガバナンス強化やコミュニケーションの円滑にするためにも重要な役割を果たします。

ドリーム・アーツが提供する、大企業の働き方を変えるビジネスコックピット「InsuiteX」は、課題にあわせた適切なポータルを提案できる製品です。

【参考】InsuiteXが提案する情報共有の範囲に合わせたポータルバリエーション

Notes移行の進め方

Notes移行はおもに以下の順番で進めていきます。

進め方のポイントの詳細については、こちらの資料をご覧ください。

【参考】3分で分かるNotes移行

Notes移行におけるポイント

ポイント① Notes調査:詳細アセスメントにより移行対象を絞り込む

一般的にNotes上ではさまざまな業務がおこなわれており、多くの情報がそこで管理されています。移行に際しては、まずどのような業務や情報が管理・実施されているのかを調査し、現状把握することから始めます。そして利用頻度や重要性などに基づき「移行する情報/アプリケーション」と「移行しない情報/アプリケーション」に分類し、それを元に次の移行計画や移行手順を定めていきます。

ポイント② 計画:しっかりとした移行計画・移行手順を策定する

移行の方向性が決まったら、それを具体的に実行するための移行計画と移行手順を策定します。前述のように、移行先にはさまざまなシステムやアプリケーションが考えられ、さらにNotes上のアプリケーション間のデータは複雑に絡み合っているケースが多いでしょう。また移行対象のなかでも優先度はさまざまです。そのような状況下で重要度や難易度、コスト、工数などを考慮してもっとも合理的な移行計画と移行手順を策定します。

ポイント③ 移行作業:スモールスタートで課題検証しながら進める

一般的に現業務で使用している既存システムを移行する際には、移行作業がスムーズに進まない場合も考慮しておく必要があります。一気に実施するのではなく最初はスモールスタートで始めて、そこで発生する課題を検証しながら徐々に移行範囲を拡大していく方法が得策です。課題の検証や解決が進むにつれて、自ずと移行スピードも速まってくるでしょう。また、Notes移行は対象業務に関わる社員にも大きな変化をもたらすため、スモールスタートで慣れてもらいながら進めることが不安や不満の解消につながります。

Notes移行の注意点

Notes移行は情報資産や業務プロセスが多く管理されていることから容易ではありません。そのため、注意点を意識しながら移行を完了させることが重要です。

①現場でも使える操作性やUIかを確認

情報システム部門だけでなく、現場部門でも使えるか必ず事前に確かめましょう。長らくNotesを活用してきた企業では、「上手く使いこなせるか?」と不安を感じる人や、従来の環境が一変することに対して不満を持つ人もいると思います。操作が複雑なシステムを導入すると、全社に浸透せず形骸化する恐れがあります。

②移行先が自社にあっているか

移行先のシステムが自社にあっているかを確認することが重要です。自社にあった機能があるかはもちろん、会社規模やコストなども検討します。大企業の場合は、特有の高度な業務に適合できる権限制御や証跡管理があるかどうか、膨大なデータ量に耐えられる基盤かどうかなどを確認します。一方で中小企業の場合は、少人数でも利用可能か、コストを抑えられるかなど、確認する観点が企業規模ごとに異なってきます。

③移行先のサポート内容を事前に確認

移行初期はトラブルが起きやすいため、システムを提供する企業のサポート体制が充実しているか事前に確認しておきましょう。チャットやメール、電話などすぐにサポートを受けられる手段があるかが大切です。サポートが充実してないシステムや海外製のシステムでは、トラブルの解決が遅れる恐れもあります。また、現場に少しでも早く定着できるよう、ユーザー向けドキュメントやオンライントレーニングなどの活用支援もあるか確認するとベストです。

Notes移行に「SmartDB」を選ぶ理由

弊社では、現場部門(非IT部門)でも大企業向け業務アプリが開発できる「SmartDB(スマートデービー)」を提供。Webデータベースとワークフローの機能を兼ね備えており、大企業の複雑な業務にも対応できる業務プラットフォームとして多くの大企業で採用いただいています。
Notes移行先として「SmartDB」が最適な理由についてお伝えします。

豊富な移行実績を持っている

横浜ゴムさまやコクヨさま、三菱UFJモルガン・スタンレー証券さま、太平洋セメントさまなど、1,000名以上の大組織で利用していた Notesの移行先としても多数の実績があります。事例の詳細は以下のページからご確認ください。


【Note移行事例】横浜ゴム 短期間で大規模「脱Notes」を成功させるプロジェクトの進め方

【Note移行事例】コクヨ 使い続けて10年以上、コクヨの自律した現場業務改革を促す「SmartDB」

【Note移行事例】三菱UFJモルガン・スタンレー証券が挑む「業務改革」と「新たな価値創造」


2023年6月15日に開催されたセミナーにて、太平洋セメントさまから現場に歩み寄ったプロジェクト推進や、関係者をスムーズに巻き込む徹底した根回しなど、Notes移行のポイントやノウハウをお話いただきました。セミナー内では、太平洋セメントさまが脱Notesの移行先として選んだ3つのサービスとのその使い分けもご紹介しています。   

  • InsuiteX: ポータル
  • SmartDB: データベース・ワークフロー
  • Microsoft365: メール、スケジュール管理

セミナーの動画視聴と講演資料は以下のページからご確認できます。

『脱Notes!』の現実解 太平洋セメントに学ぶ、大規模プロジェクト成功の秘訣

ノーコード/ローコードで現場部門が開発可能

Notesには自由にアプリケーションを開発できる機能がありますが、上記で記載した通り独自のスクリプト言語を利用しているため、開発者が限られてしまう、習得までに時間がかかるなどの問題がありました。「SmartDB」はあらゆる業務をドラッグ&ドロップなどのマウス操作を中止としたノンプログラミングで開発できるので、ITベンダー依存・IT部門依存を脱却し、現場部門自らによる業務デジタル化を実現できます。また、業務テンプレートも充実しており、微調整のみですぐに業務利用開始できます。

外部システムと連携するための多彩な仕組みを用意

Notesと他システム間をデータ連携している企業は多いと思います。「SmartDB」は「Microsoft 365」に標準連携しており、その他にもAPI連携やWebhookを利用して外部システムやクラウドサービスにデータをつなげる連携が可能です。

外部システム・SaaS連携(標準連携・API連携)

豊富な実績とノウハウを持つパートナー

システム移行(リプレイス)の成功には「企画」・「推進体制」・「施策」など複合的に考慮することが重要です。移行先としての機能の充足はもちろんですが、それだけではなく豊富なノウハウを持つパートナーを選ぶことも重要です。
大企業でのNotes移行ノウハウを集約したサポートと、移行先として機能が充足した「SmartDB」でNotes移行を成功させませんか?

【参考】Notes移行は「働き方改革」の第1歩。Notes移行ソリューションについてはこちら!

まとめ

開発の容易さから業界を問わず採用が広がったNotesですが、製品サポートに対する不安や働き方改革やクラウド化の波に必ずしも対応できないことなどを理由に、他システムへの移行を検討する企業が増えています。実際の移行作業は対象を絞り込んだ後、しっかりとした移行計画を立てた上で進める必要があります。

また、移行先のシステム選定はもちろん重要ですが、一番大事なのは移行後の実現イメージを明確に持つことです。明確なコンセプト・方針があれば、そのあとのフェーズで各部署の協力を得やすい状況をつくれます。
弊社は大企業における多数のNotes移行の実績を有しており、スムーズなNotes移行のためには当社のような企業が持つ外部ノウハウを活用するのも有効です。

Notes移行でお悩みの方は、ぜひこちらの資料も合わせてご覧ください。

関連資料
3分でわかるNotes移行

3分でわかるNotes移行

「保守切れが迫っている!」「大量のDBをどう整理したら…」「そもそも移行プロジェクトをどう進めればよいのか?」とお悩みの方へ!

prof_you

この記事の執筆者:ヨウ(マーケティング本部)

新卒でドリーム・アーツに入社。
2021年からマーケティンググループの一員になりました。
記事執筆は初心者ですが、皆様のお役に立てる情報を発信していきたいと思います!