インシデント管理とは?エクセル運用の課題とシステム導入のメリット解説!

インシデント管理とは、システム障害や機器の故障などの原因を取り除き、システムを正常に使用できる状態にすることです。今回は、インシデント管理の概要からエクセルやインシデント管理ツールでインシデントを管理するメリット、インシデント管理ツールの特徴、「SmartDB」を利用したインシデント管理についてご紹介します。

インシデントとは?

インシデントとは、好ましくないできごとや事件、事象を意味する言葉です。英訳すると incidentとなります。
情報セキュリティやIT分野のインシデントにはシステム障害や機器の故障などの物理的なトラブルだけでなく、不正アクセスや情報漏えいなどのセキュリティに関するトラブル、使い方が分からないといった初歩的なトラブルもあります。
つまり、なんらかの理由でシステムが使えなくなったり、サービス品質が低下した状態になれば、インシデントが発生したとみなされます。

インシデント管理とは?

インシデント管理とは、システムが正常に使用できる状態を維持し続けることを意味します。

インシデント管理と問題管理の違い

インシデント管理と似た言葉に問題管理があります。問題管理とは、インシデントが発生した根本原因を特定しそれを排除することです。
インシデント管理と問題管理の違いは目的にあります。問題管理の目的は問題が発生しないように取り組むことですが、インシデント管理の目的は恒常的にシステムが使用できる状態を維持することです。

インシデント管理のフロー

インシデント管理の目的は、発生したインシデントに早期対応し速やかにシステムが使用できる状態にすることです。そのためには、発生したインシデントの内容や対応状況などを可視化し進捗を管理するフローを設計する必要があります。

インシデント管理のフロー例

  1. インシデントの受付
  2. インシデントの分類
  3. 優先順位の設定
  4. 担当者の割り当て
  5. インシデントの解決
  6. システム復旧

インシデント管理ツールとは?

インシデント管理ツールとは、インシデント管理を効率よく実行するためのツールです。どのようなインシデントが発生したのか、インシデントへの対応がどこまで進んでいるのかなどを一元管理できます。システムが使用できなくなった場合には早急な対応が必要です。口頭やメールなどで状況を確認したり対策を指示したりすれば、時間がかかってしまいます。インシデント管理ツールを使用すれば、早急に問題を解決でき、業務の効率化が可能です。
インシデント管理にはExcelで管理する場合やシステムを利用する場合があります。

インシデントをExcelで管理するメリット

インシデント管理ツール以外にも、 Excelでインシデント管理をおこなうこともできます。インシデントをExcelで管理するメリットは、安価に始められることと独自のカスタマイズが簡単なことです。

安価に始められる

インシデントをExcelで管理するメリットは、インシデント管理をおこなったことがない場合やこれから取り組んでみようと考えている場合でも手軽に導入できることです。Excelは多くの企業で導入されており、すでにパソコンにインストールされていれば新たにシステムを導入する費用が発生しないため、安価に始められます。
また、 Excelを日常的に業務で使用していれば、使い方を教えるコストも最低限で済むでしょう。

独自のカスタマイズが簡単

独自のカスタマイズが簡単なこともインシデントをExcelで管理するメリットです。数式や関数、マクロを組み合わせることで、幅広いインシデント管理に対応できます。管理する情報が増えた場合にはセルを追加するなど、柔軟なレイアウト変更が可能です。

インシデントをExcelで管理するデメリット

Excelによるインシデント管理には前述したようなメリットがある一方、以下のようなデメリットもあります。

  • ファイルのマージ(集約)に時間がかかる
  • フォーマットの独自進化
  • 報告の遅延

順番に確認しましょう。

ファイルのマージ(集約)に時間がかかる

各拠点/各人などからExcelファイルを集めると、ファイルが大量に集まることになります。これをマージしようと思うと、多くの時間が必要となってしまいます。
さらに、このあと紹介するような要因によってマージ作業が困難になっていく場合もあります。

フォーマットの独自進化

それぞれの拠点や工程でインシデント情報を集約するようになると、拠点や工程独自の情報を持ちたくなってきます。Excelではかんたんにフォーマットを追加・変更でき、そこが便利な点ではあるのですが、その結果、フォーマットが独自進化を遂げてしまう場合があります。

さらに、フォーマットが異なることで機械的にマージすることができなくなり、さらにマージが困難になっていきます。

報告の遅延

Excelで管理している場合、たとえば月次など決まったタイミングでレポートラインに沿って集約していくことになるでしょう。そうすると、インシデントが発生してから実際に報告されるまでに1ヵ月かかる場合があります。報告までに時間がかかることで、下記のような問題も発生します。

  • 問題に対しての対応が遅れる
  • 問題を時間軸で感じることが難しくなるため、「ある時期に集中して問題が起きていた」という状況にも気付きにくくなる
  • 記載する側がまとめて記載することで、ヒヤリハットなどの事故に至っていない事例が抜け落ちてしまう


上記のような要因から、各自での入力から集約するまでに労力がかかり過ぎ、インシデント管理が目的にすり替わってしまいます。
本来であれば、インシデントを管理する目的は、インシデントを分析して下記のような対応を実施することです。

  • 登録されたインシデントから発生要因を分析して、適切な対策を検討する
  • 発生要因がわからない場合でも、発生時の適切な対応を検討する

関連記事:ヒヤリハット事例を共有して重大事故を削減!

インシデントをシステムで管理するメリット

これまで、Excelによるインシデント管理について紹介してきましたが、続いてシステム化することによるメリットをご紹介します。

登録先を一元化し無駄な業務を不要に

インシデント管理をシステム化することで情報は直接システムに登録されます。登録先が一元化されることで、集めたデータのマージ等の作業は不要になります。
また、登録する情報のフォーマットを管理者が管理するので、フォーマットが独自進化してしまう心配もありません。

リアルタイムでの確認が可能に

登録先をシステムで一元管理することにより、情報はリアルタイムで本部側に共有されます。報告が遅延することはなく、インシデント対応を迅速におこなえるようになります。

参考:三井倉庫SCS、事故・ヒヤリハットの蓄積データ活用で対応・対策検討の迅速化

目的別インシデント管理システムの特徴

インシデント管理システムには、問い合わせに対応する業務の管理を目的としたものと、プロジェクトの進行管理を目的としたものがあります。

問合せ管理系システム

問合せ管理系システムには、システム利用者からの問い合わせに対し、迅速かつ正確な対応を効率よくおこなえる機能が搭載されています。電話やメール、チャットなどさまざまな経路からの問い合わせを一元管理でき、過去の問い合わせ内容を分析することも可能です。
AIによる自動回答機能や回答補助機能があれば、少ない人数でも問い合わせに対応できます。


問い合わせ管理システムの特徴とは?メリットやデメリット、失敗を防ぐ選び方を解説

プロジェクト管理系システム

プロジェクト管理系システムは、スケジュールやタスクの進捗状況を管理することでインシデントに対応するシステムです。タスクや対応スケジュールを社内で共有したり、対応状況をリアルタイムで共有できたりします。対応する優先度の決定や対応漏れを防ぐことも可能です。

「SmartDB」でインシデント管理するメリット

「SmartDB」であれば、上記のシステム化のメリット以外にも、工夫次第でさらに便利に活用できるようになります。この記事では物流業界を例としてあげ、「SmartDB」を活用するメリットをご紹介します。

状況に応じて、入力フォームを自在に変化

物流でのインシデントは、メーカー/物流センター/輸送中などさまざまな場所や状況で起きます。拠点単位でも報告する項目などが変わってくる場合があります。また、発生要因、根本原因、対策方法など、インシデント管理工程においても入力すべき項目が変わってきます。
Excelで運用している場合は、そのような時には再度ファイル配布し直す必要があり、いつまでも古いフォーマットを使い続けてしまう場合もありました。

「SmartDB」では、インシデントの工程状況や登録先の拠点に応じて、入力項目を表示/非表示にできます。
登録者には必要な入力項目のみ表示されるので、入力の手間も最小限になります。

モバイルでの登録もかんたんに実現

さまざまな人が関わる物流業界では、登録者がオフィスにいることはほぼありません。
「SmartDB」を利用すると、モバイル末端からインシデントを登録できます。インシデントは後で登録しようと思っていると忘れてしまうもの。気づいたときにその場で登録しましょう。

入力業務をかんたんに

「SmartDB」では、すでに登録されている顧客、商品、社員情報など参考となるデータベースの情報を参照して表示できます。登録者は毎回商品情報などを入力する必要がなく、かんたんにインシデントを登録できます。

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まとめ

インシデント管理を「SmartDB」を使ってシステム化することで、各所から集まるインシデントを容易に管理し、根本原因や発生要因への対応・対策を早急に実施できるようになります。

インシデント管理に時間と労力をかけ過ぎてしまうと、本来の目的が果たせなくなってしまいます。「SmartDB」でさくっとインシデント管理のプロセスを簡易化して、生みだされた時間と労力を対応・対策の検討に活用しましょう。

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